◇ 3年生のときの連絡帳のページ ◇

 掲載については、3年生のときの担任の先生(“たいしダヨリー”紙上ではくまざわ先生)の了解を得ています。
 このページは少しずつ追加していく予定です。

6月12日
先生
 今日は、一日、おとなしく自分の席にいて、絵を書いていました。
 時々、あきこさんとじゃれ合っていて、口を押さえて、「静かにしなさい。」といっていました。
 班のみんなをはじめ、クラスの子たちもたいしくんにやさしく言葉をかけているので、かえって、子どもたちの方がたくましく見えます。
 お母さんと離れていて、2日間は、大丈夫でした。これからも少しずつたいしくんができることがふえてくると思います。たいしくんの成長に合わせて、私の方も配慮していこうと思います。
 どうぞよろしくお願いします。





※たいしが3年生になって初めてママの別室待機をやってみたもの
94号
6月13日
 梅雨の入りになりました。たいしの苦手な季節です。そんな中、母子分離がうまく行きつつあるのは先生はじめクラスの子どもたちが母顔負けの対応をしてくれているからだと思います。昨日、朝の自習時間、あきこさん、まりこさんが「穴あき九九」をたいしにさせていました(先生の添え書き:まりこさんたちがもってきてくれて見ました。答えもあっていますね。)。そのさせ方は、もうりっぱな教育者のようです(プリント1/3強)。良かったらまりこさんたちにそのやり方を聞いてみて下さいネェ!
 また、ある女の子が「そんなに、たいしくんにたくさん言ったらパニックになるでしょう。」と男の子に注意してくれたりと・・・等々、他の子供達の成長にも目を奪われています。
 今朝は、ゆうた君、たくや君と3人でマラソン大会をやって家を出ました。学校には、45分頃着いたそうです。だいすけ君は、7時前におむかえに来てくれました。毎日、子供達のパワーで良い朝をむかえています。



94号
6月13日
先生
 今日も朝から、元気いっぱいでした。いつものように朝の歌の指揮も一生懸命、元気よくやってくれました。
 最近は、14日の公開授業(授業参観カナ?)に向けて、子どもたちに「話を聞く姿勢」を正しく身に付けてもらいたいと思い、指導することが多くなっています。たいしくんも、「正しい姿勢だよ。」というと素直に応じてくれますし、「今、それやめて、座ってね。」といってもちゃんと聞いてくれます。お家の人と同じように、優しく話しかけるといいんですね。これは、まわりの子どもたちにもいえることだと思います。私自身、あまり大きな声を出さずに指導できるように、努力します。
6月14日
 公開授業、無事終わり、まずは一安心です。「三年生」という道のりを、先生とクラスの子供達のムネを借りて、一歩また一歩と歩くうちに、たいしが3年3組の仲間に入り込み、受け入れられている手ごたえを感じています。先生に「感謝です!」
6月25日
 おそうじ当番パニックの事を友人に話したら、「おたくの担任の先生って、実に太っ腹で良かったネェ!」と言われて、再度、幸福な思いを味わう事ができました。また、先日のたいしのパニックのあとの先生の発言、「たいし君が悪いんじゃない」は、すごくうれしかったです。たいしがパニックを起こすと排他的な事を言われるのが常なんですが、先生は、その逆でした。何か先生のあたたかい人柄に触れ、私もやさしい気持になれました。 おそうじ当番パニック→95号
6月26日
先生
 天気も一日一日変化があり、雨の日や晴れの日が交互にやってくることが多くなりました。たいしくんも周りの状況が変わるスピードがあまりにもはやいので、大変なんでしょうね。
 掃除のことは、学年で臨機応変にやってもいいということなので、たいしくんが苦しいのであれば、二学期からでも変えてみたいと思います。
 たいしくんがパニックになることは、子どもたちも知っているので、パニックはたいしくん自身がつらいこと、不安なことなのだということも、周りの子どもたちもわかっていると思います。
 たいしくんとまわりの子が、こういうことを繰り返していくことで、お互いに歩み寄っていけるのではと思います。
7月3日
 昨日の就学検査ありがとうございました。
 たいしダヨリーについて、先生のお母様や先生の思いを伝えていただき、とてもうれしかったです。夜、ビールで乾杯しました。先生はじめ、お母様のような方の存在は、私たちにとってとても大きいものです。一人でも多くの方に、たいしのような子供を理解していただきたいと思っています。
就学検査:4年生に向けての就学指導検査
お母様:先生のお母さんは小学校の校長先生だそうで、たいしダヨリーを見て「これに親の思いがこめられているんだよ」とおっしゃったそうです。
7月4日
 参観日は、先生のおかげで、ミューの笑顔も見る事ができました。7月の大きな行事が終わり、あと数週間で一学期も終わろうとしています。あきこさんをたたいたり、皆さんにめいわくをかけてしまいましたが、なんとか無事に一学期が終われるようにがんばりたいと思います。
7月8日
先生
 たいし君にとって、6月からの母子分離は、突然の変化で、気持ちを、不安にさせたのかも知れませんね。たいし君自身の気持ちも確認してから、徐々にそういう体制を作ってやったほうがよかったみたいですね。ご迷惑をおかけしました。
 夏休みまで、あと2週間となりました。今学期は、私自身も、たいし君やたいし君の家族の方を通して、本当にたくさんのことを学んだような気がします。これからもまた、いろいろ教えていただけたら幸いです。
7月8日
 6月末から7月の頭にかけてのたいしの「そうじ当番名札事件」も少しおさまり、たいし自身も少しおちついて来たように思います。パニックのひどい時は、その事すべてがたいしからのSOSのメッセージだったと思いました(自分の気持をまわりの人にうまく伝える事が出来ない悲しさです。)。6月からの母子分離は、変化がすこしばかり激しかったかもしれないので、これからはたいしの様子と本人の意志を尊重(一応、たいしに、母は研修室に行ってもいいかをきいて)して、やってみるのもいいかもしれませんネェ! 今回の母子分離では体育とプールの時、「お母さんあっち行きなさい。」と言われ、おっ! たいしにもしっかり成長のあとが残ったんだと、得るものがありました。
                         ◇   ◇   ◇
8月28日
先生
 一学期のことをまとめた資料、ありがとうございました。このような資料や、たいしダヨリーなどを見ることで、僕自身も自分でどうやって大志くんと接していたか、振り返ることができ、とても有難く思っています。
 席がえの件でも、大志くんのことで、意見を書いていただき、おかげさまで、スムーズに席を決めることができました。離席は多少ありますが、最近は、私だけでなく、子ども達も大志くんに目配りをしてくれているので、クラスに小さな担任がいっぱいになりつつあって、子どもたちの成長ぶりもわかってきました(お母さんも大変でしょうが・・・)。
 また学校生活や、新しい席に慣れてきましたら、徐々に母子分離の形にしていきましょう。今学期もどうぞよろしくお願いします。
8月28日
 離席の目立つ大志ですが、新学期が動きだすと、好きなおともだちに囲まれて、お世話をされ、まんざらでもなく、真美ちゃんの言うことを聞いています。ポスター書きにも参加させてもらい、大志も良い刺激をもらっています。
 そうじもパニックなく、そうじをしています。いろいろなご配慮ありがとうございます。
 算数の時間は、時計にはまってしまい、時計の針まで動かさせていただき、おわびとお礼を重ねて言わせてください。また、授業が遅れて申し訳ありません。





108号
9月12日
先生
 校外学習も、無事に終わり、次の大きな行事は全校遠足になります。異学年の子との交流が主な活動になりますが、心配な点がありましたら、お知らせ下さい。
 さて、学習発表会ですが、今年はきらめきタイムの発表を生かしたものを計画しています。ですから、一学期にやった「リンゴストーリー」が生きてくると思います。当日に関しては、練習の段階から、徐々に雰囲気を作って、心の準備をしていけばよいのではと考えています。できれば出番は、一学期の発表の時のように複数で何かできればと考えています。
リンゴストーリー:→94号96号97号
9月12日
 校外学習も、何とか、無事に終わる事が出来て一安心です。ありがとうございました。
 近頃、大志は、学習発表会は「ぼくの孫悟空4」でしょうとか、学習発表会はやらなくなってしまいました、とか話しています。学習発表会の空気が苦手な大志は、一年生の時、当日体育館でパニックを起こし、出られませんでした。二年生の時は、皆様に助けられ、まちがっておどりましたが、なんとか(ドラえもんおんど)参加する事が出来ました。今年はどうなるか、わかりませんが親の気持としては、皆と同じように出来なくても、参加する事が出来なくても、大志なりの成長が少しでもあれば、それで良いと思っています。
 ドアのかぎの棒を持ってくるのを忘れすぎて申し訳ありません。
学習発表会
 一年生:13号
 二年生:61号
 三年生:116号
9月18日
先生
 全校遠足は、大志君と同じ班になりました。10月4日の日もよろしくお願いします。
 班は、名簿順でふり分けていったのですが、ちょうど大志くんが私の班に来たので、よかったです。一応、今日の班会議では、班長と副班長の子に大志君のことを伝えておきました。今年は徒歩遠足なので、2列に並んで行くことになったのですが、大志君とお母さんは、一番最後に並ぶことになりましたので報告しておきます。
 また何かご不明な点がございましたら、お知らせ下さい。
※遠足は雨でとりやめ→114号
9月18日
 全校遠足の事を忘れていました。大志の昨年の様子は、S先生のクラスの会議で、パニックもなく2回出席することが出来ました。大志の自閉の障害の事を母の方から少し話して、皆さん(子どもたち)とうまくあそぶ事ができません、と伝えました。遠足当日は、目的地に着くと、新しい場所の確認(こだわり)の為、四方八方走り回っていました。本人が納得すると落ち着くので、その後、皆とほんの少しゲームをしたというかおじゃまをして楽しんでいました。今日の遠足の会議は欠席なので、次回の会議に少し時間をいただき、大志の事をお話しさせて下さい。今回の遠足のグループは、先生のグループでうれしく思っています。ありがとうございました。
9月26日
 今週は、大志の「パニック」やら「朝のお迎え」「公園デビュー」「あみちゃんの昆虫プリント色ぬり」、そうじの反省(班長)をやりたがっていた大志に2回目をさせてくれたクラスメート達etc TVドラマになりそうな事がたくさんありました。夏休みが明けて大志の離席は、おさまる事を知りません(申し訳ありません)が、クラスの子供達の大志に関わる対応がお兄さん、お姉さんのように自然になってきたように感じてきました。大志は、くもの巣公園で一人だけで遊んだ日の事、1時間〜2時間位、公園に居ると子供達の入れ替わりが有り、大志を追い出す子供と逆に受け入れて回旋塔をいっしょに楽しんでくれたなおき君がいました。大志がふり落とされたら、すぐにかけよってドロをはらってくれました。先生が大志を受け入れ、日々接してくださる姿を見ている子供は、とってもやさしく、おもいやりがあります。 そうじの班長:→96号
(ただし一学期の記事)
9月27日
先生
 いつも「たいしダヨリー」ありがとうございます。今回は夏休みのこともわかって、とても楽しかったです。「リンゴストーリー」も学習発表会で生きてくると思います。来月から本格的に練習がスタートすると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
 最近は子どもたちに驚かされている毎日で、担任としても、時々感心というか、感動というか、とても穏やかな気持ちになります。公園でなおき君が遊んでくれたり、あみさんやひろとも君、しおみさん、かずきくんが、一生懸命、たいしくんに話しかけて、一緒にごはんを食べていたりと、子どもたちが日に日に優しくなっていく姿が、本当に嬉しいです。
 大志君と共に、子どもたちも、一つ一つできることが増えていって、成長の度合いを目で見てわかるようになってきているのが、本当に担任として喜びです。
10月29日
 音や暗やみを苦手な大志が今年の学習発表会では、耳ふさぎをする事なく落ち着いてステージに居られたという、大きな成長を見る事ができました。先生や子供達の支援のたまものです。ありがとうございました。また姉のミューも体力がないのにもかかわらず本番で組体操を成功させ、がんばりを見せました。
 夫も久しぶりに休みがとれたので楽しい時間をすごせました。日曜日はごほうびの「トイザラス」でクリスマスプレゼントの「天空神」に手を出さずに「トーマスのふみきり」を買って家に帰ることができました。「サンタさんからのお手紙」がきいているようで12月までがまんできそうです。時間の経過がわかるようになり見通しがついてきたようです。その代わりに時間パニックが起きてきましたが、先日の教室の時計を変えた、先生の機転と行動力は是非たいしダヨリーに書かせてもらいます。どうぞよろしくお願いいたします。
学習発表会:→116号




※「クリスマスに天空神をプレゼントしてください」という手紙をたいしに書かせて、先生からサンタさんにわたしてもらうことにしたんです。
教室の時計:→116号
11月11日
・ ゲームパーティでは、「大志のやれるゲーム」を選んでくれたので、大志も楽しくゲームに参加でき、母もうれしかったです。
・ 算数では「青い四角」の指導もいただき(いろいろ他にもたくさん)ありがとうございます。こんな感じで、授業中、大志にもできる事がまた一つ一つと増えてゆくとステキです。また最近、大志へのたずなを少しずつ強くしめてくださっているように見えます。先生の指示を聞き入れることが少し多くなり、大志の信頼を勝ちえた先生ならではです。(ブーを代表する数々の失礼、本当に申し訳ありません。)
・ さて14日の公開授業にむけてがんばっている先生の姿を見ていると私も何かお役に立てればと思っています。大志の奇声や離席が授業のさまたげにならないよう考えられるトラブルの防止に前もって知らせること等を今からはじめています。
・ まず、大志がいつもとちがう人たちが来る事に対して「サンタさんのおつかいの人たちがたくさんくるよ!」と、みんな良い子にしているか見に来るからと、ブーや、声を出したり、席を立ったりしちゃダメ。
・ また、当日のスケジュール いつ(何時頃からはじまり)からいつまで(何時頃)かかるか大志に見通しをつけさせる事など、他にも気が付くことは、やりたいと思います。
・ 図工 版画をやりたいパニックの時にも、ドラえもんのビデオケースでみごとにパニックをおさめてくださってありがとうございました。先生って本当にすごいです!
たいしのやれるゲーム→117号




ブー:人に向けて“ブーッ”とつばを飛ばして吹きつけることがあります。慣れた人にやることが多いです。







版画パニック:→116号
11月25日
先生
 しばらく、この日記帳の間をあけて、申し訳ありませんでした。14日の公開授業の後、自分でも「ホッ」と気が抜けてしまったみたいで、すみませんでした。
 公開授業の時は、協力していただいて、本当にありがとうございました。先生方からも、「よく集中している」という言葉をいただき、子ども一人一人の成長に目を見張っています。
 今日から、参観日週間となりましたが、落ちついて、授業に参加できているようです。少しずつでも約束を守るようにしながら、お互いに頑張って行きましょう。
12月6日
先生
 今学期は、母子分離のことを相談せずに、ここまで来てしまって、本当に申し訳ありませんでした。学習発表会の練習をはじめ、全校遠足や、11月の公開授業と、大志君にとって生活環境がめまぐるしく変化した日々を送らせてしまう結果になり、お母さんをはじめ、お家の方々に、負担をかけさせてしまったのではないでしょうか。
 今日1日、朝2時間の様子を見ている分では、それほど戸惑うこともなかったようでした。離席はあっても、廊下に出ていこうとはしないので、このまま継続していくのがベストだと思います。テストが多く、たいし君には、少しつまらない時間が増えてしまっていますが、どうぞよろしくお願いします。
12月6日
 来年度の親学級について先生が話してくださったこと、本当にうれしく、ありがたかったです。このまま異動なければと祈っています。また、来年度も3組のクラスの空気がおいしいので、その空気を大志にも呼吸させてあげたいです。子供たちがイキイキしている。たくやくんやけいすけくんたちの目をみはる成長を近くで見ていてそう思いました。大志も同様で先生との出会いが幸多いものとなりそうです。自閉症の弱い部分のコミュニケーションがずいぶん伸びています。ステキな人達に囲まれたおかげです。
・月曜日 教育センターで一時より「自閉症スペクトラムの子供たちとの関わり方」という講演があります。この講演を聞きにゆきたいので、給食後帰宅させてくださいますようお願いします。
12月16日
先生
 二学期も残りあと一週間となりました。今月の日直さんもよく頑張ってやっていましたね。
 先週の母子分離中の様子ですが、テストが非常に多かったので、私の席のそばで絵を描かせたりして、静かにすごしていました。離席することがあっても、ひろともくんやゆうすけくん、なみさんなどが「大志くん、座ってね。」といってくれます。本当に力強い助っ人です。
 あと、大志くんの言動で、周りが笑ってしまい、「笑うんじゃない!」ということがありますが、私も子どもたちに十分指導して笑うことを少し控えさせたいと思います。決してバカにしたような笑いではないのですが、大志くんがいやがっているようなので、指導したいと思います。






「笑うんじゃない!」:→108号
12月16日
 「変化の多い荒れる二学期」があと一週間で終わろうとしています。最近の大志は、とても穏やかで姉とのトラブルも少なく、なんと意志の疎通がすこしはかれるようになり「この子、うちの大志だべが?」と顔をまじまじと見るくらい、ハッとさせられる発見が多々あります。母子分離も抵抗が少なく、すんなりと行きそうで・・・etc このすばらしい成長の反対側には、何があるんだろうか。大志の心が満たされているのはなぜ?
 それは、3組に良い関わりの循環があるから・・・?!! 先生が子供たちを受け入れ認める→子供達は満たされ自信を持つ→大志をやさしく受け入れるゆとりが出る→大志も満たされる+先生の度量の大きさで安定。こうして良い環境が生まれました。
・子どもを認める事、受け入れる事の大切さを先生におしえていただきました。とても実りの多い二学期です。
・我が家のボーナス20%OFFでしたが、子供が穏やかだとなみだも乾きます。
12月18日
 「たいしダヨリー」ご愛読(?)ありがとうございます。
 特殊学級が決まったので来年は母子分離が実現しますが、親学級は熊谷先生のままだといいね、と話し合っています。異動がないことを祈っています(笑)
                         ◇   ◇   ◇
1月17日
先生
 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
 さて、三学期がスタートし、席がえも終えましたが、大志君をはじめ、全員元気に新学期を迎えることができ、ほっとしています。今学期も来年度の母子分離に向け、少しずつ働きかけをしていきたいと思います。
1月19日
 年賀状ありがとうございました。
 ホームページ掲載の件、ありがとうございます。正月休みにワープロ打ちしようかと思ったら、連絡帳がなかったので、これから少しずつ作業していきます。・・・掲載は4年生になってからになるかも知れません。気長にお待ちください。
 ところで、三学期が始まったばかりで気が早いかも知れませんが、来年度のことについて。情緒学級に籍が移るわけですけど、基本的には今の3年3組と同じようなイメージで考えています。母親の代わりに情緒の先生がつくという感じ。ただ、絶対にこうでなければいけないというわけではなく、こういうやり方の方がたいしや親学級にとっていいだろうというものがあれば、それでもいいと思います。
 熊谷先生の意見があればお知らせください。先生が来年も続投ならスムーズに行くだろうと思うんですが・・・。
1月21日
先生
 来年度のことについては、私自身も詳しくわからないので何とも言えませんが、私個人としては、親学級ありきの通級のような形がいいのではないかとは感じています。
 また、きらめきタイムのグループ分けで、「おかしグループ」に協力していただき、本当にありがとうございました。しゅんたくんも、自分のやりたかったことができ、大志くんも、自分の言葉でしっかり発表できて、本当に見ていて嬉しいかぎりです。本当は、私が支援しなくてはいけないのに、お母さんにかなり骨を折っていただき、恐縮しています。明日の本番も上手く、マーロン先生に伝えることができればと思っています。
1月27日
 きらめきの発表会は、ドラえもん調でしたが、はじめて大志の発表を見る事が出来て、とってもうれしかったし、何よりも楽しく作業が出来た事が良かったです。大志も大好きなドラえもんの絵を書いたりして課題に参加した為か、発表したい意識が出てきたのでしょうか?しゅんた君と大志のメンバー構成がとっても良かったのですネェ! 彼と作業を進めるにあたって彼のとても寛容な人柄が課題参加をスムーズにしてくれたようです。大志がタイムマシン、どこでもドアを書きたいと意欲的になったのも、あゆみ君様々で、彼は大志のマイペースな行い全てを、「あっ、いいよ」「あっ、いいよ」と受け入れてくれたのです。これには、母、脱帽でした。
 昨年末、ドラえもんの書き方を教えてくれたしおみさんがきっかけで、大志がここまで成長出来た事、本当に感謝です。
 母も大勢の子供達と接することが多くなって、子供たちからいろんな発見をさせてもらいながら、近頃思うのですが、教師の仕事のステキさって、子供達とのふれあいの中でいろいろな体験や発見が出来ることなのかしらと・・・
発表会:→124号
1月30日
先生
 今日は慌ただしい一日で、大きな声をあげることが多く、大志くんにも申し訳ないことをしたなと、振り返って反省しています。しっかりと話を聞ける様に今後は冷静に指導に努めていこうと思います。
 今日の集団下校は、いかがだったでしょうか。大志くんもそばにお姉ちゃんがいて安心して帰ることができていたら幸いです。
 明日から早いもので、2月となります。大志くんをはじめ、3組のみんなと、春に出会った頃の新鮮な気持ちを、もう一度振り返りながら、接していくように心掛けねばと、強く感じています。2月もよろしくお願いします。
P.S.お母さんも無理をせず、土、日曜日は、ゆっくりご静養してください。
2月10日
 学力テスト 連日続けた、先生のガッツある、あたたかな指導は子どもたちに大きな実りをのこしそうです。学ぶことの楽しさや、がんばることによって得られる自信を体験できる子供たちは、幸福ですネェ! 先生おつかれさまでした。
 今回の席替えは、かくちゃん、てんせい君のコンビが予想もつかない事を見せてくれるので、ワクワク、ドキドキ、ハラハラで学校に来る楽しみが一つ増えました。大志に体を張って関わってくれる友達は少ないので、彼らの存在は、とても貴重です。大志の反応は「恐怖と歓喜が交錯する」といった感で、ふつうとは少しちがいますが、広い意味での生きてゆく力が学べるのではないかと、きたいしています。
 2月9日は、PCの障害児フォーラムのオフ会で仙台の近くの七つ森希望の家へ行って来ました。 先生も出張、気を付けて行って来て下さい。
 雪上運動会は、ドラえもんのパネルなどに感激した主人も仕事を休んで見に行きたいと言っていました。本当にいろいろありがとうございます。
七つ森希望の家:→125号126号
2月11日
先生
 雪上運動会も近づき、子どもたちも「がんばるぞ!!」という気持ちになってきました。ファイトでも書きましたが、子どもたちの気持ちの成長に本当に担任としても正直驚いています。特にパネルの色ぬりの早さにはビックリ。1時間であのくらいの作業をしてしまう力がついていることと同時に、最後の雪上運動会への意気込みが伝わってきました。かくくんの先導は、私も力になってやろうと思っています。きっとかくくんは、自分一人に責任重大な役目がきたと思っているのだと思いますので、てんせいくんや私でもり上げてやろうと思っています。とにかく明日は、みんなにとって最後の雪上運動会。悔いのない一生けん命な大会にしてもらいたいです。最後に、2日間留守にしますが、何卒よろしくお願いします。 ファイト=学級通信
2月14日
 雪上運動会の事をだいちくんが「大志君、本番は、練習の時より速くすべれたネェ」と言ってくれました。母は「そうだねェ、みんなのおかげで早くすべれた。うれしかった」と話しました。先生が子供たちに、「結果よりもそれに到るまでのプロセスや思いが大切」という事を体験させてくださいました。貝吹家はもちろん、クラスのみんなの心の中にも何かが残ればとってもうれしいです。
 本年度から、母は、学校に来られないので、近頃の貴重な出来事を勝手にビデオにとらせていただいています。申し訳ありません。「大志君大作戦」をはじめ、貝吹家にとってこの熊谷クラスは本当にノーマライゼーションそのもの、宝の山です。朝の歌の指揮を続けて下さったり、そのせいか人といっしょに歌を歌わない大志が歌いだすところを見せてもらいました。給食時の校内放送や欠席パニック、そうじ当番パニックなどいろいろなこだわりや問題行動がいつの間にか大志から抜けていきました。心の安定できる環境が先生によって子供たちへと作られたと思います。恵まれました。
雪上運動会:→126号
大志君大作戦:→125号
2月24日
先生
 雪上運動会お疲れ様でした。お母さんにも協力していただき感謝の気持ちでいっぱいです。子ども達も忘れられない雪上運動会になったと思います。
 さて、最近、私が考えていることは、来年度のクラスのことです。大志君がいることで最低限の気遣い(友達に対して、他人に対して)が保たれていたように思います。大志君が学級から一度外に出ることで、子ども達の中に我がままや勝手な気持ちに歯止めをかけるものがなくなってしまうのではという気もしてなりません。大志君と過ごしている今だからこそ、大志君に対してしてきた優しい気持ちの大切さを伝えるべきなのではと思っています。今は、大志君と過ごせる時間をどう使うかということで、私自身、頭がいっぱいになっています。
2月25日
※ リズム体操の曲は、できれば今日の曲でお願いします。嵐の曲だと大志がなぜかわからないのですが、耳ふさぎをしてしまいます。今日の曲は、耳ふさぎがなかったので、もしよろしかったら嵐以外でよろしくお願い致します。
2月25日
 参観日お疲れさまでした。
 「大志君に対してしてきた優しい気持ちの大切さを伝える」件ですが、先生の気持ちはたいへんうれしいのですが、大志のことに関してだけ言うとすれば、あえて文章化したり、先生から教訓めいた話をする必要はないように思います。3年3組の子どもたちが大志と共に過ごした時間・場面がそのまま心の片隅に残っているだけで十分だと思います。道徳的な話にしようとするのは、かえって逆効果のような気がしないでもありません。一人ひとりの人間を大切にすること、「みんなちがってみんないい」ことをテーマにして、大志のことにもふれるくらいならいいかも知れません。
2月25日
 大志と残された時間をどう過ごすかについては、もうたくさんのステキな時間がありました。3組のクラスの子供達の為に、その時間を使って下さい。先生が大志の自由すぎる行動と他の子のまちがった行動を指導してゆくにあたってすごくストレスを感じたり御苦労されたことを思うと・・・ さぞ忍耐のキングにならざるを得なかったと思います。一方子供たちは、伸び伸び生き生きしてます。先生が子供達とも信頼関係をつくりあげ、大志の事で他の子供をおこったりしなかったのが心のすくいになりました。思春期をむかえる子供達が自分探しの旅へ出かけた時、先生が「あっ、あの時、こんな言葉をかけてくれてうれしかった」と子供たちの心の中で生き残ってゆく時間になればステキです。
 つばめクラスに移る事を三学期末に子供達に伝える際に、大志とまた、今までのように遊んでやってくれるように、一言付け加えていただければうれしいです。
2月26日
先生
 自分自身でやってきたことを、お母さんのような立場の方が見てくれていることで、自分の言動や行動が適切なものであったかがわかりました。ごく自然に、楽しく、残された日々を過ごしていくことが子どもたちにとってベストなのであれば、そちらの方に力を注いでいきたいと思います。
 勉強も残り少なくなり、思い出作りにはぴったりの時期になってきました。終業式には、みんな笑って「じゃあ、また4月に逢おうね。」といって春休みに入れるように、支援をしていきたいと思います。
 また、お母さんの立場から、何かお気付きのことがありましたら、よろしくお願いします。
3月3日
 3年生最後の一ヶ月が来てしまいました。何かさびしい!!デス。あっという間に今月は終わってしまいそうです。そして何かと忙しい月でもありますネェ!
 大志は、今月、障害認定や手当ての為に診断書の提出をしなければなりません。(現在、名前が一部分変わりましたが、元で言うと)児童相談所へ行って検査(IQ等)を受けに行きます。3月14日AM9時30分より検査が始まるのですが、何時におわるかわかりません。(最悪)5時間目からの登校になるかもしれません。また、後日もう一度、精神科医の診断があるので、その時間によっては学校に来るのが遅くなるかもしれません。まだその時間がわかっていないので、後日お知らせ致しますので、よろしくお願い致します。
・ また、3月6日、母の都合の為、2時間目終了後帰宅させてください。
・ お誕生会でいただいたプレゼントのお手紙を読んでニコニコしている大志を見ていて、とってもうれしい気持になりました。
※ 音読、ありがとうございました。
3月6日
先生
 新学期にむけて、いろいろな諸準備があり、お母さんも大変だと思います。この時期は卒業式の練習などもあり、時間割にも多少の影響はあると思いますが、いつもの“プログラム大作戦”で頑張りましょう。
 今日の日直は、とても上手だったですね。朝の会も大きい声でお話しできていましたし、始業のあいさつも、元気よくできました。私がマンガ本を隠しても(スミマセン)、我慢して朝の会の運営をしてくれたのは、成長の証だと思いました。
P.S.さきこさんの大志君へのプレゼント、本当に可愛いですね。さきこさんも下にきょうだいができて、お姉さんらしくなってきたようです。
3月10日
 あと、二週間と少しで、3年生が終わりますが、なんとか無事に3年生が終われるように祈っている今日近頃です。
 プログラム大作戦等々や先生やクラスメートに支えられ、本当に安定して一日一日を濃く過ごしています。あきこさんが「大志君、みんなと会話しているし、友達と遊んでいる。」と春に比べて変身した大志について、そのおどろきを私に伝えてくれました。私も最近の大志の変ぼうぶりには、びっくりしています。かくちゃん、てんせい君のことを大志は、大好きなんだそうです。もちろん先生も、他の子供達も。大志に合わせたレベルで休み時間に、おにごっこやかくれんぼ、あっち向いてホイなどして遊んでくれるので、大志は遊ぶ事を通して人との関わりの楽しさを感じることが出来たようです。パニックの嵐の頃は、人との関わりなど感じる事がなかったでしょうから・・・ クラスメートのやさしさを受け入れられるようになりました。
 雪像作りの日もずいぶんグループの子供達と作業をいっしょに出来る様になりました(子供達や私の指示を受けてですが)。周りを見て、今やるべき事がわかってきたのだと思います。
 雪像作りが終わってからの様子もビデオ撮りをしていたのですが、そこには、かくちゃんとすもうの様に組みあって投げられ、また投げられてもかくちゃんに向かってゆく大志の姿がありました。友達とこんな風にして遊ぶなど来る事もないと思っていた私達なので、特別な感動があり、主人とその喜びをわかち合えてうれしかったです。ファイヤーマンも良い思い出になりそうです。いつもありがとうございます。
(本当に、貴重な3年生の歩みがあふれる程たまりました。)そこで、そろそろまた母子分離を、来年度の為にもお願いしたいのですが、今週は1・2時間目と少し過ぎたら増やして行くように、よろしくお願い致します。
3月13日
先生
 本当に時の経つのは早いもので、もう一年が過ぎようとしているんですね。大志くんも、かくくんやてんせいくんと楽しくすごしているようで、時々微笑ましく思えます。来年度、大志くんと学級が別々になることを思うと、このまま友情を絶やさずにいてもらいたいなというのが正直なところです。いつか子どもたちにも、このことは告げなければいけないのですが、なかなかタイミングが難しいです。
 今日も、給食を一緒に食べましたが、てんせいくんやかくくん、さきこさんがいろいろ大志くんに質問をするんですね。それに、ちゃんと答えている大志くんを見て、たいしたものだと感心してしまいました。
 思えば、欠席や音(昼の放送)のパニックも見られなくなり、ある程度周りと合わせたり、我慢したりすることも少なくない様子です。お母さんをはじめ、家族の方が注いでこられた愛情も確実に花開いているのでしょう。
 昨日は、プリントを渡してくれたり、その前は消防服を着てくれたりと、できることもたくさん増えてきました。来年度にもっとすばらしい成長があるのではと期待しています。
 残り少なくなってきましたが、母子分離も頑張っていきましょう。一昨日の様子では、お母さんの事を探したりすることもなく、しっかり2時間参加していました。
3月25日
 いよいよ3年生も終わりですね。1年間、ありがとうございました。
 3年3組で大志は、人との関わりの芽が出てきて、成長のひとつの山を越えたように思います。大志が普通の子なら3歳くらいには言うようになる「見て」という言葉を、家で言えるようになったとき、自閉症の世界から一歩こちらの世界に踏み出したような気がしています。自閉症児は、人に共感を求めるような言葉は言わないものだという固定観念がありましたので、これは、ひょっとするとヘレン・ケラーの「water」に匹敵する言葉なのかも知れません。 ・・・とすると、くまざわ先生はサリバン先生?(笑)
 冗談はさておき、3年3組をみていると、教育の原点には普通教育も特殊教育もないのだろうという気がしています。やる気を出させれば子どもたちは伸びていくんですよね。そして、積極的に行動できるようになれば自信も出てくる。大志だけじゃなく、たくやくんやけいすけくんなど他の子もずいぶん伸びたとママが感心しています。そして、それが大志にとってもプラスになっていく。いえ、それも大志だけじゃない、子ども同士の育ち合いになってきたんですね。障害児との統合教育について、「共育」という言葉を使っている方がいましたけど、ほんとうに「共育」だと思います。先生の教育観は言葉できいたことはありませんが、やり方に間違いはないと思います。
 来年も大志の担任でいてほしかったのでほんとうに残念ですが、今度は小規模校になるんですね。ますます、先生のやり方に磨きがかかるんじゃないでしょうか(笑)。もしも、大志のような子がいたら、是非かわいがってあげてください。
 M小学校の住所で先生あてに“たいしダヨリー”を送らせていただきますので、見てやってください。
3月26日
先生
 いよいよ3年生の修了式を迎えることになりました。と同時に来年度から、特殊学級への通級が決まり、お家の方も1〜3年生までの3年間、本当にお疲れ様でした。これから益々の大志くんの発展成長と、ご家族の方の健康を願わずにはいられません。
 そもそも4月にこの3年3組を受け持った時、不安でいっぱいでした。初めて受け持つ学年だったからなのでしょう。でも、子ども達と出逢って、そんな不安も吹き飛びました。高学年を持っていたこともあって、3年生の子どもたちがとても可愛らしく、素直に見えました。そこで今年は「思いきり、子どもたちとやりたいことを目一杯して、楽しい学級を作ろう」と決意しました。
 学級旗をはじめ、桜の木の前での学級写真、学級通信「ファイト!」の発行、3の3ワールドカップ、毎月のゲームパーティなどなど、とにかく、学級を楽しく、まとまりのあるものにしようと思い、たくさんのことにトライし、また、子どもたちもついてきてくれました。本当に私にとっては有意義な一年間でした。必ずこの1年の経験を生かして、教師として研さんを積んでいこうと思います。
 最後になりましたが、大志くんのお母さんをはじめ、ご家族の方には、多大なる協力をしていただき、本当にありがとうございました。学力の面で、もう少し大志くんに力を貸してあげられるとよかったのですが、申し訳ありませんでした。貝吹さんからの一つ一つの言葉、たいしダヨリーでの一行一行が僕の心の支えになりました。大志くんの健やかなる成長を遠くMの地で祈っています。(くまざわ)
終業式:→129号


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