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た い し ダ ヨ リ ー  ★3年生編★
   第129号 ママの卒業式  

 

◆名前を呼ばれたらおしまい

 3月中旬の土日、八戸の実家へ家族4人で行く予定を立てていましたが、ミューがかぜでダウン。たいしと私の2人だけで行くことになりました。
 八戸に着くと、数十年ぶりという大雪がまだ残っていました。たいしは表面が固くなった雪の上にあがり、おじいちゃんのスコップやカマで穴掘り。次々と道具を出しては置いていくので、「使ってないものは片付けて」と言ったら、元に戻してくれました。最後に残ったのはゴルフクラブ。
 それからまた散らかしていたようだったんですが、おじいちゃんが「お出かけするよ」と声をかけたら、ちゃんと全部自分で片付けた、と感心してました。この辺は自閉症児らしいところです。
 八食センターへ昼食&買い物に行きましたが、観光バスが5台もきているなどすごい混雑でとても食事どころでなく、実家の近くのドライブインへ移動。こちらもけっこう混んでました。たいしのおもちゃがなかったのですが、コップの水に入っていた氷をいじって遊ぶなど、席を立ってうろうろすることなくラーメンがくるのを待てました。ちょっとだけ隣のテーブルを指さして「アレワナアニ? ピストル!」と叫ぶ場面はありましたが、その程度。
 食事の注文のとき、「ギュウニュウ」と言ったので、ミルクをたのみましたが、熱いのは飲めるかな? 砂糖のスプーンのままミルクに入れてしまったけど、これは教えたことがないので、しかたがない。かき混ぜ用の小さなスプーンでフウフウしながら飲んだので、けっこう時間がかかりました。・・・熱いミルクは、食堂でたいしの間を持たせるのに使えそうです。

 それから、いつものジャスコへ。ここも混んでていつものように屋上に車を止めたのですが、いつものおもちゃ屋さんに降りる入り口からはかなり離れていたので、別の入り口の階段から降りました。店内に出たところはなんと、ゲームセンター。1階が吹き抜けになっていて、2階から様子が見えます。おばあちゃんがトイレに行っている間に「ミツケタ!」とたいしは1人走り出しました。たいしが行った先にあったのは、たいこのゲーム。なんとここには3台もありました。人がやっている横から「ドラエモンノウタ!」といつもと同じようにちょっかい出しました。
 かなり広いゲームセンターなので、そこにはまることなく、うろうろ。あれっ!? と思ったら、網の中のアスレチックのようなものの中に入っちゃった。さっと長靴脱いで、するするっと、その手際のいいこと。だけど、これもお金取られるんじゃない? やっぱり。15分200円だって。でもって、けっこう順番待ちの行列が並んでる。
 係のおねえさんが「なに、この長靴」とやっと気づく。「ごめんなさい、あの黄色と緑の縞の子、勝手に入っちゃったんです」。
 高いところにいるとつかまえられないんですが、下にさがってきたところで、おねえさんがつかまえようとしたら、たいしはすばやくまた上がっちゃった。次に下におりてきたところで、おねえさんがタックルするようにしてやっとつかまえました。たいしは暴れることなく、もどってきました。
 ちょっとまたあちこちうろうろして、やっぱりその網アスレチック(正式名称はわかりません)に入りたい様子なので、列に並ばせました。よく見ると8歳以下という年齢制限がありましたが、ついこの間まで8歳だったから許して。
 列に並んでいる間、時間切れの子どもの名前が呼ばれます。「○○くん、△△ちゃん、終わりでーす」という調子。誰かが呼ばれるたびにたいしは「ハァイ」と返事しています。(たいし1歳のとき、ミューの幼稚園入園式で同じ反応があったのを思い出しました。)「15分で終わりなんだって。『たいしくん、終わりでーす』って、名前が呼ばれたら出てくるんだよ」と言い聞かせると「ハァイ」。
 15分後、「○○くん、たいしくん・・・」と名前が呼ばれると、高いところにいたんですが、ふっと振り向いてすたすた降りてきました。えらいねー、大人になったねー。以前なら遊びに夢中で、名前呼ぶどころか手をひっぱろうが抱っこしようが嫌がって出てこないような場面ですもの。
 その後、いつものおもちゃ屋さんに寄って、プラレールのパーツを買って車に戻りました。
 日帰りだから短い時間だったけど、けっこういろんなことがあったね。


◆「ウズマキ」

 夜、ミューがお風呂からあがったあと、たいしに「お風呂はいる?」と聞くと、「ハイル」。「じゃあ、はいっといで」
 たいしは、ひとりでお風呂の方へ行きました。ちょっと間をおいて、様子を見に行き、ドアを開けると、服を着たままで湯船をのぞき込んでいます。
 「何してるの?」
 「ウズマキ」
 なんと、栓を抜いて流れていくお湯の渦巻きを見ていたのでした。
 そしてまた、お湯を入れ直して、私とふたりで入ったのですが、ママが入るときには電気温水器のお湯がなくなったらしく、お湯が出なくなってしまいました。
 たいしくん!お風呂2回分もお湯わかしてないんだよ!


◆涙、涙の終業式

 ついに、3年生の三学期も終わりました。そして、担任のくまざわ先生は郡部の小規模校へと転出が決まりました。

 離任式が終わって教室に戻ってきたら、女の子が数人泣いていました。「○○ちゃん、泣くな」と言っているうちに、先生の目からも涙がこぼれてしまいました。そうしてお別れのあいさつが始まりました。
 先生が泣きながら話すので、クラスのみんなも泣きだしました。泣いてないのは、おそらくたいしだけ。

 先生は、ママにも話す時間をくれました。ママはびっくりしたものの、機会があったら言いたいなぁ、と思っていたことがたくさんあったので、クラスのみんながたいしによくしてくれたことに対する感謝の気持ちなどを話したらしいのですが、ママも涙、涙で実際に何を話したのかよく覚えていない、ということでした。

 教頭先生から、来年度のたいしのカリキュラム等について説明がありました。情緒障害特殊学級に籍をおきますが、国語・算数以外は普通学級(交流学級)で過ごします。そして、もちろんママは卒業です。あとは、どんな先生がくるか、ですね。春休み中に顔合わせに行ってきます。
 その夜は、ママの卒業を祝してかんぱ〜い! あれっ!? と思ったら、ビール10本くらい空いてた。・・・翌日は頭痛かったー。家で飲んでこんな具合悪かったのは初めて。





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