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その1週間後の7月23日(土)。いよいよ、ひとりでの通勤練習です。ただ、帰りは5月に練習したきりだし、ひとりで乗っているときの大志の様子をみたいということもあって、ママが変装して電車に乗り込むことにしました。 そして、今回は、乗り越しをしないために、大志が自分の世界にはまっていても降りるときに気づくように、降りる少し前に「おりるよ」と携帯が知らせてくれるように、スケジュール設定することにしました(これは、サポートセンターのMさんの助言によります)。 最初のバスだけ、7:32に携帯が「時間になりました」と、合図してくれるようにセットさせました。全部入れてしまうより、その都度自分で意識した方がいいかと思い、2番目からは、待ち時間にやらせることにしました。 朝、7:10。「ほら、バスに遅れるぞ!」。 着替えして、バス乗車券、OK。携帯、OK。財布、OK。そして、バスと電車の乗り換えメモ、OK。 「お父さんは西平内の駅で待っているからね」。 大志は、ごはんを食べ残したまま「行ってきま~す」。ひとりで出発しました。 大志を見送ったあと、私とママは車で出発。バス停にまだ大志がいたので、乗車の様子から見ます。といっても、ここでの乗車はバスが来たら乗るだけですので、何も難しいことはありません。 そして、自由ヶ丘二丁目のバス停に向かい、大志が降りるのが見えるように車を停めます。まもなくバスが来て、大志が降りてきました。そこで、大志に電話。 「大志くん今どこですか?」「自由ヶ丘二丁目です」 「バスを降りましたか?」「降りました」 「お母さんが携帯をなくしたので、今日の連絡はお父さんにお願いします」「はーい」 ママが携帯を忘れたので、そういうことにしました。 「あれは?」とママ。降りる時間の設定をさせるのを忘れてました。それは駅に着いたころにかけなおしましょう。 さて、小柳駅で、ママはサングラスをかけ、つばの大きい帽子をかぶって謎の女に変身。 私は、そのまま車で西平内駅へ。電車に乗るのを見届けてからだと、先に着くことができないので。 小柳駅での大志は、けっこうボリューム高く独り言を口走っていたそうですが、電車に乗ってからは静かだったということでした。やっぱり、前に運転手さんに注意されて静かにしなければならないということがわかったのでしょう。この推測が当たっているとすればですが、こういうことは、親よりも社会の人から直接言われた方が身につくのかもしれません。 西平内駅のホームで待っていると、入ってきた先頭車両の最前部に大志が立っているのが見えました。ちゃんと降りる用意をしていたようです。 「よしよし、よくやったね」。「へへー」と得意そうな顔の大志。 大志のあとに降りてきたのは謎の女ひとり。彼女は、物陰に隠れて、スキを見てホームの反対側に渡りました。 持ってきたポカリを大志に飲ませて、駅の時刻表で帰りの電車の時間8:41を確認させ、反対側のホームへ渡りました。大志が持っているメモにももちろん時刻を書いているのですが、現地での見方も覚えておくため。 そして、帰りのスケジュールセット。小柳駅8:57なので、8:56にセットさせました。 電車はワンマン電車なので、整理券の機械があるところ1か所しか扉が開きません。なので、「ワンマン乗車口」という看板を確認させて、ここから乗ることを確認させました。 突然、「あ、忘れた」と大志。「どうしたの?」。どうやらおしっこのようです。 「まだ7分あるから行っておいで」。トイレは、反対側のホームにあるので、大志はだーっと歩道橋を走り戻って行きました。 その間に、謎の女と事務連絡。電車は予定時刻に着きましたが、今日も停止信号で停まったそうで、立ち上がってキョロキョロして、扉の上の駅順の図を見てまた座る、という場面があったとのことでした。 大志が戻ってきて、もう一つ注意事項。この駅は券売機がないので、整理券をとって、降りるときに現金を精算箱に入れるしくみになっています。だから、「ひとつ前の矢田前に着いたら、440円用意するんだよ」「はぁい」。 間もなく「下り電車が到着します」とアナウンスがあり、電車がきました。 「降りる時は一番前の扉からだよ」と私が言ったせいか、大志はいちばん前から乗ろうとしましたが、その扉は開きません。他の乗客が乗り込んでいるのを見て、2番目の扉に移動して乗りました。そして、車内で一番前の方へ移動しました。ようし、万全だ。 他の乗客もけっこういたので、謎の女もさりげなく乗ることができました。 よし、ここまで順調。あとは、小柳駅で降りるだけ。ただ、帰りは接続のバスが40分待ちになるので、車で帰ろうかと大志に相談したところ、「自力で帰ります」。歩いて帰るとのことでした。 |
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