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6月20日(月)、T印刷での実習初日の朝。私は、おそらくひとりでもだいじょうぶだろうと思っていたのですが、ママが栄町一丁目のタケダスポーツ駐車場に様子を見に行きました。 担任の先生もいて、2人で、大志が野木和団地行きに乗るのを確認すると、「お母さんあとはいいですよ」ということで、ママは家に帰りました。先生は、2日目まで大志の実習に付き添うことになっています。 帰りもひとりで帰ってこれました。 よし、練習したかいがあったぞ。 2日目もうまくいったようでした。 3日目。この日から先生の付き添いはなしです。 栄町一丁目で、大志が野木和団地行きを見落としてしまいました。どうするかママが見ていると、「遅れたぞ!」と言いながらバスの進行方向に走り出したとのこと。ママは車で追いかけます。赤信号で、大志が乗り損ねたことを、携帯で私に連絡。 「まだ時間があるから、どうするつもりなのかもう少し様子をみよう」。 ということで、結局、市役所まで走りまして(調べてみたら、栄町一丁目から1.5q)、ママが大志の携帯に電話してみるものの、電源オフにしていてつながらない。しょうがないそろそろだな、と助け船を出して、車でT印刷へ行くことにしました。 T印刷では仕事中は携帯の電源を切ることになっているらしく、大志が電源を切ることを覚えたので、自分が使わないときは電源を切ることにしてしまったようだということがわかりました。日頃、節電する癖が身についているので、ここにも応用したものかもしれません。この件については、連絡ができなくなるので電源を切るのではなく、バスの車内での迷惑もあるからマナーモードにしておくということにしました。 大志がバスを見逃したのは慣れからくる油断というところでしょうか。待ち時間にゴミを拾ったり、屈伸などのトレーニングをしたり(これは以前、待ち時間に退屈しないようにと教えたもの)して、そっちに夢中になると、見逃す可能性がないわけではありません。(だから、携帯でゲームなんかやらせられません) バスを見逃さないように気を付けることはもちろんですが、万が一見逃したときには、すぐママに電話することを、市役所の駐車場でママが教えました。 さて、その日の帰りのこと。勤務時間は15時までのはずなんですが、14時過ぎに大志から「お仕事終わりました」の電話。仕事が早く終わって解散になったようです。「青森駅に行ってバスを乗り換えます」と言ってますが、予定時間でないためにちょっと様子がおかしい。ママの方が動転して「大志くん、迎えに行くから油川新井田のバス停にいなさい!」 と、車をスクランブル発進させたものの、油川新井田のバス停に着いたときには、既に大志はいませんでした。 向かい側のバス停に反対方向に帰る利用者さん(前の日にママが実習を見学したので、顔を覚えていました)がいたので、「向かい側のバス停にいた子はバスに乗っていきましたか?」ときいてみると、その子は、うんうんとうなずきました。 青森駅に行くと、3番バス停に大志を発見。ママが駅舎に隠れて見ていると、昭和大仏行きが入ってきました。どうするかな?・・・大志はこのバスに乗りました。変則的でも、このバスも戸山団地に行くことを認識したようです。 ママがあわてて、駅の駐車場に走って、車でバスを追いかけ、大志が蛍ヶ丘の2つ手前のバス停で降りるのを確認しました。 4日目。ママはまだ忍者(見守り)をやめるわけにいかなくなりました。でも、この日は、行きも帰りもちゃんとできました。栄町一丁目のバス停では、見逃さないようにとバス停にびったりくっついてバスが来る方向をじっと見ていたそうです。 5日目。大雨というほどではありませんが、ちょっと強い雨。栄町一丁目の乗り換えでまたも失敗。今度は、「青森駅」行きに乗ってしまいました。このバスは、市役所を過ぎたところで別の道にいってしまいます(だから、青森駅行きを降りて乗り換えるんですが)。 雨のせいで落ち着かなかったのかもしれない(雨に弱い自閉症の子は多いようです)し、さらに雨の日はバスの遅れもひどくなるので、判断を狂わせたのかもしれません。 ママが大志の携帯に電話をしても出ません。 市役所を過ぎていくバスをママが追尾して行くと、駅の一つ手前で大志が降りました。「おかあさんに電話しようっと」という声が聞こえたそうです。そして、電話を受けたママ、またも大志を拾ってT印刷へ向かいます。 車の中でポカリを飲んで落ち着いた大志は、「間違えた!」と思ったけど車内では声を出さずにびっくりしたとか。ほんとかな? 大志が電話に出ないのは、携帯をリュックに入れているからマナーモードでは気がつかないわけでした。・・・これはもっと早く気づくべきでした。反省。 ということで、携帯はひもを付けて首にかけ、胸ポケットに入れることにしました。 でも、大志がすぐにママに電話できたことは本日の収穫でした。すぐに大志を拾わないで、遠くから迎えに来たふりをして少し待たせれば、もっとリアルだったかもしれませんが、とりあえず、今回は大志が自分からSOSできたことで十分ですね。 就労移行支援は、やってみると改善点が次々と出てきて、ひとつひとつクリアしていくものだと聞いたことがありますが、今回の通勤練習をやってみて、自立のための支援というのはそういうことなんだなー、と実感しました。 手助けをぐっとこらえて様子を見守るママも、大志の自立に向けた成長のために必要なことがわかってきたようです。 |
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