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ママが、学校での様子を大志にきいていたら「先生は超能力者です」と言った。先生が大志に手品を見せて興味を持ったらしい。 それをきいて私は、簡単な手品を大志に教えてみてほしいと先生にお願いした。というのは、手品は相手から見えないようにやらなければならない。自閉症児は、自分の認識と相手の認識が異なることを理解するのが苦手なので、手品をやれば相手に自分がどう見えているか意識する訓練になると思った。 先生のお子さんも手品が好きなのだそうで、先生は引き受けてくださった。そして、学校で手品を練習し、家でそれを披露するのが大志の宿題となった。 「これから手品を始めます」と言ってから、タネの仕込みをしたりして、笑える展開も多かったが、覚えたセリフを一生懸命言いながら演技する様子のひとつひとつが、成長を感じさせる感動の場面であった。 S先生は、そのほか、あいさつの習慣をつけようと、「あいさつバトル」なるものを考え出した。朝、先生方を見かけたら先に「おはようございます」と言えば1勝。先に言われると1敗。そして、大志は全勝をめざしてがんばっている。 また、大志の関心を広げようと、朝の会で「今日のニュース」を発表させることにした。大志は家でテレビや新聞を見て「チーム青森が優勝しました」などの発表をする。「北朝鮮が核実験をしました」と発表したときは、そのあと核のビデオを見せるというように、大志が関心を持ったものを深めようと配慮してくださった。さらに、難しい言葉については自分で辞書を引いて調べ、「○○というのは〜〜という意味です」というような発表もできるようになった。 また、小学校高学年の頃から、私は大志がバスにも慣れるようにと、乗車体験をさせていたのだが、なかなか一人では乗せられなかった。先生はこれにも協力してくださり、中学校の近くのバス停(始発)で大志を乗せ、自分は次のバス停で大志が降りるのを待つ、というような練習をさせてくださった。 大志は、期待に応えて、一歩一歩成長の階段を上っている。 |
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