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中学生ともなると、小学校時代にうちに遊びに来ていた子どもたちもすっかり大人になってしまって、一緒に遊ぶという交流はなくなった。 小学4年生から、情緒学級になって、教室が別になったので、音楽などでの部分的な授業参加はあったものの、一つ屋根の下にいる仲間という意識も薄れてきただろうと思う。 それでも、中学校の運動会で走ったあとに、大志にハイタッチしてくれたり、「がんばったな」というように背中をたたいてくれる子がいたりした。 文化祭で各学年が表現活動というのをやる。卒業式でやる呼びかけにダンスや歌が入ったようなものだ。 1年生の表現活動「かたくりの花」の練習のときのことについて、先生から次のような話をきいた。 「大志くんは、始めから通しだとちゃんとやれますけど、練習でやり直しがかかって、“どの場面から”と言われてもわからないので、それを始める場所に行けなかったですね。で、どこへ行けばいいの?と私の方を何度も見るんですよ。でも、わざと知らないふりしていたら、大志くんのそばに配置になる子どもたちが、大志くんを連れにくるんですね。 それから、一度外で練習したときですけど、風が強くて寒かったし、大志くんも体調が悪かったときで、大志くんに練習を続けるか教室に戻るかきいたら、『教室に戻ります』と言うので、そーっと列からはずれてぬけたんです。そのあと練習を再開したら、大志くんのそばの生徒たちが、『大志いねえぞ』『大志どこ行った』ってちょっと混乱があったんです。その場は説明して終わりましたが、生徒たちが気にかけてくれているっていうのがわかりました」ということだった。 小学校の3年間普通学級にいたときにまいた種が生きているようだ。 いまだに大志を気にかけてくれる彼らは、社会に出ても、きっと自閉症の理解者となってくれるだろう。そうして、自閉症を持つ人が地域で暮らせる社会に近づいていくことを願っている。 |
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