大志とともに  −自閉症子育て日記−
    第41回 特殊学級新設

 それまで通っていた地域の小学校に特殊学級を作っていただいたのは、大志が4年生のときだったが、そのための動きは2年生の終わりころに始まっていた。

 きっかけは、学区から学区外の特殊学級に通っている子ども(大志の1学年上)の親から、地域の学校に通わせたいという要望が出されたことだった。
 校長先生から、そういう動きもあるが、大志くんはどうするか、今のままでいいかという趣旨の打診があり、いろいろ考えた。
 母子分離を進めていくために、付き添い時間を減らしていくとか、別室待機するとか、やってみたがうまくいかず、ママも毎日通うのはたいへん負担になっていた。また、「せっかく普通学級に入れたのに、母親が付き添って特殊な環境にしている」と指摘する福祉関係者もいらした。
 また、就学指導の判定が1年生までは「養護学校」だったが、2年生のときに「情緒学級」(情緒障害の特殊学級=自閉症も対象)に変わっていた。
 こうしたことを考えあわせて、うちも特殊学級を希望することにしていた。
 3年生のときのクラスがとてもうまくいっていたので、そのまま持ち上がりなら、普通学級でもママなしでやっていけそうかな?とも思ったが、新採用の先生は3年で異動になることになっているので、K先生は間違いなくかわるのだった。
 校長先生には、籍は特殊学級に置くが、なるべく親学級で過ごさせてくれるようにとお願いした。
 4年生になるとき、特殊学級が一度に2つできたので、ちょっと驚いた。
 大志の1学年の上の子は知的障害の特殊学級で、大志は情緒学級。
 新しい先生は、市内の特殊学級を歴任してきたベテランのN先生だった。
 N先生は、大志に水泳やカヌー、ローラースケート、スキーなどのさまざまな体験をさせ、また、学習発表会などの行事では、大志がどうやったらうまく参加できるかを考えてくださった。
 運動会でも、ゴールした低学年の子を誘導する係をやらせてくれた。




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