大志とともに  −自閉症子育て日記−
    第40回 クラスの歌

♪青い空 白い雲
 勇気をもって
 踏み出そう
 想い出すと笑いあえる
 楽しい想い出
 大好きなみんなの
 笑顔が宝物…

 ママは、大志が気に入った「またあえる日まで」(ゆずが歌ったドラえもんの歌)を、大志とクラスの子どもたちと一緒に歌いたいなーと思い、ミュー(大志の姉)が放送委員だったので、校内放送の昼の曲などでかけてもらった。
 家でも何度もかけていたので、家に遊びにきた子どもたちは、「大志くんの歌」と言っていた。
 ある日、先生がクラスの歌を決めようと提案すると、子どもたちは賛成。そして「大志くんの歌」という子がいて、ママは一緒に歌えそうだ、と期待した。ところが。
 先生は、SMAPの「世界に一つだけの花」の歌をみんなに提示。
 「この歌はね、みんなのひとりひとりが大切だという歌なんだよ」と力説し、歌詞を解説。
 実は、先生がこの歌を持ち出したのには伏線があった。
 その数日前の連絡帳に、“大志くんに対して育ってきた、クラスの子どもたちの思いやりの気持ちを授業で再認識させたい” というようなことを先生は書いておられた。私はこれに反対した。道徳的な教訓めいた話をされるとごく自然に大志と接してきた子どもたちに、むしろ構える気持ちができるのではないかと心配したのだ。それで、「みんな違ってみんないい」という趣旨の話をして、その中で大志のことにも触れる程度ならいいかも知れない、と書いた。
 そして、先生の答えがこれだったのだと思う。

♪そうさ 僕らも
 世界に一つだけの花
 一人一人違う種を持つ
 その花を咲かせる
 ことだけに
 一生懸命になればいい
 小さい花や大きな花
 一つとして
 同じものはないから
 NO.1 に
 ならなくてもいい
 もともと特別な
 Only one

 みんなでこの歌を歌った。もちろん、指揮者は大志。いつものように前に出て、超マイペースで指揮棒をふった。




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