大志とともに  −自閉症子育て日記−
    第37回 ビリヤードに通う

 3年生の頃、大志が興味を持ったものを次々とやらせてみた。具体的には、ビリヤード、ボウリング、ゴルフである。
 ただし、どれも自分がやりたいようにやるだけで、やり方を覚えようとするわけではない。教えようとしても、受け付けない。
 いずれも、アニメのイメージで、例えば、ビリヤードはトムとジェリーやディズニーのピノキオに場面がある。ビリヤードは、以前から興味があって、おもちゃも既に2つあった。でも、おもちゃのビリヤードって、玉に重みがなくて、はじかない、転がらないで、ほんとにおもしろくない。
 で、自閉症親の会の行事でボウリング場に連れていったら本物があったので、大志がやりたがったのは言うまでもない。
 キュー(棒)を自分でとり、すぐに玉を突く体勢。といっても、ルール無用で、突いたり転がしたり、穴に入れたりというだけで楽しむのだ。時に、穴に落ちた玉がどうなるのか、台の下をのぞき込んだり。さらに、なにやら探していると思ったら、いっちょまえにキューの先にすべり止めをつけてみたり。
 すぐ飽きるだろうと思っていたが、しっかりそれで1時間もった。というか、それから毎週「土曜日はビリヤード」というのが大志のスケジュールのこだわりとなって、半年くらい通い続けることとなった。土曜日に別の行事があって、こっちが忘れていると、夜になって「ビリヤード」と言い出してパニックになり、なんとかあきらめさせようとしても後でまた思い出すので、連れて行かざるを得なかった。
 そこで、これを利用しない手はないと思ったのが、申し込みの交渉。大志に「ビリヤード、ひとり、1時間」と言わせ、お金を払わせる。受付のおねえさんもすっかり顔を覚えて、大志が言うのを待っていてくれた。

 ボウリングやゴルフの打ちっ放しも、大志がやりたがったので連れていってやらせた。いずれもアニメで興味を持って、やってみたくなったのが動機だったのだが、きっかけはともかく、何か体験することで、世界が広がっていくことは間違いない。出かければ人との接触も出てくるし。




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