大志とともに  −自閉症子育て日記−
    第29回 通知票

 ママは毎日大志と一緒に学校に通った。だが、いつまでも教室でべったりしていては、大志が自分で判断して行動する機会を奪うことにもなる。
 そこで、朝の1時間は別室で待機、慣れてきたら2時間、というようなこともやってみた。教科書などを出したりしまったりすることは、席の近い子が手伝ってくれたりもしたようだが、先生の話を聞いていられる大志ではない。なかなかことはそう簡単にはいかなかった。
 そのうちに、午後まで授業を受けるのは、大志くんには負担が大きいのではないかということで、給食を食べたら帰宅することになった。

 ところで、ママと大志が学校にいると、声をかけてくれる先生も担任、副担任以外に何人かいらっしゃったが、避けるようにしている先生もあったようだ。
 なんで避ける?…考えてみれば、自分が付き添ってまで障害を持つ子を普通学級に入れる母親なんて、常識では考えられない。今で言うモンスターペアレントだと思われてもしかたがない。
 一学期の終業式にこんなことがあった。大志がもらった通知票は、他の子と違って、5段階評価ではなく、各教科ごとに文章で、こんなことができた、というようなことが書かれたものだった。
 授業にほとんどついていけず、お絵かきしたり、絵本を見たりしていることが多い大志を5段階で評価しようったって、無理だろう。
 その通知票の様式は、他の小学校で使用されている特殊学級のものだったそうだ。
 ママは、教頭先生がこの様式を入手したときいたので、職員室に教頭先生をたずねた。
 「この通知票を使ってくださったのは、教頭先生だそうですね」とママが言うと、教頭先生、顔色を変えて身構えたそうだ。
 「教頭先生のおかげでいい通知票をもらいました。ありがとうございました」。
 お礼を言いたかっただけだったのだが、一瞬苦情を言いに来たと思われたようでした。
 でも、そういうママの姿勢を先生方も徐々に理解してくださるようになっていきました。




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