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先が見えず、いつ出られるのかわからないトンネルの中のような長い長い幼児時代と、悩み続けた就学前の1年を過ぎて、ついに、小学校の入学式を迎えた。 幼稚園では、卒園式でも大志に先生がひとりついてくださっていたが、小学校の入学式ではそういうわけにいかない。大志が式の最中に何か起こしたらどうしようかと、私もママも最初から緊張して、保護者席にいた。 「新入生入場」のアナウンスで、1年生が男女ペアで手をつないで体育館に入場してきた。大志も女の子と手をつないで歩いてきた。なるほど、これなら、大志もついてこれる。まずは第一段階クリア。 式の始まりの修礼で、全員起立したが、大志だけ立たない。「立てー!立つんだ、たいしー!」と心の中で叫ぶも届かず。大志はしばらく座ったままだった。まわりが立っているのに気づいたらしく途中で立った。座るときは、ワンテンポ遅れたが座った。校長先生のお話中も、振り向いたり、上を見たり。 しかし、時間が経つに連れ、隣近所の子どもたちも足をぶらぶらしたり、イスをガタガタさせたりするようになった。、大志の前の子なんかイスからずり落ちたりして、大志より目立っていたように思う。障害がなくたって、飽きたらそうなるんだよね。ついこないだまで幼稚園だもんね。 最後の修礼では、大志も一緒に立つことができた。一度経験して、まわりに合わせられたのかも。 そして退場。一気に肩の力が抜けた。 その後、記念撮影があったが、カメラをなかなか見ようとしない子がいて、何度も注意された。すいません、それうちの子です。 教室に戻ると、先生の名前は?クラスのみんなが「E先生!」と言うと、ワンテンポ遅れて「E先生」と大志の声。「そうそうよくできたねー」となぜかほめられる大志。 そして、ひとりずつ名前を呼び、返事をする場面。だんだん大志の番が近づいてくる。さあ、反応やいかに。 「かいぶきたいしくん」「ハアイ」。やった!返事できた! ということで、小学校生活が始まった。 |
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