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地域の小学校に入学が決まったわけだが、特殊学級もないごく普通の小学校である。はい、うちの子の入学が決まりましたからよろしく、というわけにはいかない。実は、「地域の小学校に入れましょうよ」とおっしゃった先生はその年で退職だったので、逆風もあった。 入学決定後も、その旨、校長先生にあいさつに行ったのをはじめ、自閉症の特性や大志のことをまとめた資料などを持参したりして、入学式までに数回小学校に足を運んだ。 校長先生は、「はじめに言っておきますが、養護学校や特殊学級のように、子どもの数に対して先生がたくさんいるわけではないので、行きとどかない点が出てきます。あらかじめ承知しておいてほしいと思います」とおっしゃった。学校側も子どもを預かるからには責任があるのだ。 十分承知の上です、母親が付き添って授業の妨げにならないようにします、ついては、担任の先生が決まったら、あらかじめ大志にも会っておいてもらいたので、早めに教えてほしい、等々のようなやりとりを行った。 教頭先生が、厳しい口調で「これからこういう事例が増えていくでしょうから、実験的なものとして受け入れましょう」とおっしゃっる場面もあった。歓迎していない先生もいるのだ。学校側の不安の裏返しということもあるのだろう。実験でいいです、よろしくお願いします。 この教頭先生はすれちがいに転出になった。 さらに、運の悪いことに、前の学年まではかろうじて4学級(つまり1クラス31〜32人)だったのが、3学級になった(つまり40人弱)と知らされた。う〜ん、それは厳しい。人数は少ない方がいいに決まってる。 ところがまた、市内の1年生の全学級にチームティーチング(T.T)の先生がつくことになったという、運のいい話もあった。ただし、クラスにつくんであって、大志くんにつくわけじゃない、とクギをさされたが。 そうして、4月早々に担任にお会いした。ベテランの女性教師。私に任せてください、という調子だったが、大志と握手させたら、ちょっと顔色が変わったかな… |
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