|
|||
Y園に通園し始めたからといって、すぐに効果が出るわけはない。大志は、相変わらず視線は合わず、Y園でも集団活動についていけなかったし、朝の会で名前を呼ばれても返事さえできなかった。 名前を呼んでも返事ができない子のときは、指導員の方が左手を開いて子どもの目の前に伸ばしながら「はい」と返事を促す。そうすると、「はい」と返事をしながら手を合わせる子もいれば、右手を合わせるだけの子もいた。でも、大志はそれにも反応しなかった。 ちなみに、これに反応できたのは、4歳4か月のとき。やり方がまた少し変わって、“かわいいあの娘はだれのもの”のメロディーで「♪あ〜なたのおなま・え・は?」と3回くり返したところで、「○○です」と言わせ、「♪あら、すてきなお名前ねー」と展開するもの。「はい」ではなく、自分の名前を言ったのだった。 「ハァイ」と返事ができた話は前に書いたが、実を言うと、最近ビデオを整理していて、1歳前後の頃、「かいぶきたいしく〜ん」と名前を呼ぶと「ハァイ」と反応する大志の姿が残っているのを発見したので、わかった。既に私の記憶からも消えていた。その頃の映像は、家の中でも外でも、返事遊びばっかり。何をしても反応しなかった大志が、反応するようになった、つまりやっと共通語ができたので、私もママも面白がってそればかりやっていたらしい。 大志の姉(2つ上)の幼稚園入園式のときのこと。入園児の名前を呼ぶ場面があった。「○○くーん」「はーい」、「○○ちゃーん」「はーい」… すると、ママに抱っこされていた大志がいちいち「はーい」、「はーい」と反応し始めた。この場面って、けっこうリズム感のある場面だから、ノリやすいのかもしれない。しかも、同じパターンのくり返し。にしても、人の名前に返事するとはノリのいい子だなーと思ったものだった。 それがどこへ消えてしまったんだろう? 自閉症の子は、1歳を過ぎると何語か覚えたりするが、1歳半を過ぎると、忘れたように言わなくなるそうだ。そして、嵐の中に突入していく… |
|||