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子どもを施設に通わせるなんて考えたこともなかったし、そのときは、その施設に通わせることが、自分から息子の異常を認めることになるような気がして、抵抗感もあったことは間違いない。 もう少し待てばことばが出てきて、「パパ、ママ」って言えるようになるんじゃないの?… 悩んだあげく、「施設に通わせても通わせなくてもことばは出るような気がする。でも、もし施設に通わせないでことばが出なかったらきっと後悔するだろう」と整理をつけて、通わせることにした。 ママの方はこのとき、「通園すればことばが出る」と単純に考えていたそうだ。 Y園に通わせるには、児童相談所で検査を受ける必要があるということで、ママが大志を連れて児相に行った。そのときの検査で初めて診断を受けたのが、「自閉傾向を伴う軽度精神遅滞」。 ジヘイケイコウ?なにそれ? 頭の中で焦点が結ばれない。 はっきりと「自閉症」という診断でもなかったので、余計とまどった。この件については、「自閉症のことをよくわかってない医者は自信がないから“自閉傾向”という言い方をするんだ」という人がいたり、「大志くんは、自閉症じゃなく自閉傾向でしょ」という人がいたりしたが、その後調べたところでは、自閉傾向も自閉症に違いない。「富士山はてっぺんだけを富士山というのではなく、八合目もやっぱり富士山」という説明をした専門家がいるが、これは自閉症スペクトラムという考え方で、自閉症の度合いに濃い薄いがあってもみんな自閉症なのだそうだ。 3年後の就学指導のときの医者ははっきり「自閉症」と言った。 ともかく、こうして、Y園への通園が決まった。 Y園は、青森市郊外にある母子通園施設。元々は難聴幼児施設だそうだが、当時通っていたのは知的障害児が多かったように思う。 母子通園施設なので、ママが毎日大志といっしょに車で通うことになった。 |
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