|
|||
◆たいしの受験 青森第二高等養護学校(二高養)の入学試験を受けました。 二高養は、知的障害のある子どもの就労に力を入れている養護学校で、わが家から歩いて30分の距離にあります。 たいしは、受験のために、面接の練習やら算数や国語のドリルやらを毎日やってきました。この日、朝起きて着替えしながら「今日で終わりだ」とたいしの第一声。たいしなりに努力してきて、この日を迎えた意味がわかっている様子。 玄関を入って受付。受付からそのまま、子どもは体育館へ、親は控え室へと別れます。そこでたいしに「ちゃんと先生の言うことを聞くんだよ」と声かけ。 子どもはそのまま体育館で受験でした。試験中のたいしの様子はわかりません。 そして、午後の面接のために、トレパン(登校はトレパンです)を制服に着替えて、お昼になります。 保護者はそれまでの間、ひたすら待つのみ。今頃、あれやってるなー、これやってるなー、独り言言ってないようなー、仮面ライダーの変身ポーズやってないよなー、とあれこれ想像力をたくましくする時間です。適性検査に移動するとき、控え室の廊下を列になって往復するのが見えて、ちょっとだけ盛り上がりました。 さて、お昼のために控え室にやってきたたいし、緊張した顔がちょっとだけゆるみました。 一緒に待機していてくださった担任の先生が「がんばったね」と声をかけているのをよそに、「ぼく、がんばったぞ」と言いながら、自分のザックからさっさとお弁当を取り出しハンカチをほどくたいし。ママが前日からお弁当のしこみをして大志の好きなおかずをたくさんつくりました。先輩お母さんから、お昼休みは子どもが息を抜ける時間だから、好きなものを作ってあげるんだよとアドバイスを受けたとのことでした。 午前中の様子を聞き出そうとしても、たいしは何をやったのか、なかなか話そうとしてくれませんが、がっかりした感じがないので、まあまあ自分なりになんとかできたんだろうと思われます。 午後は面接です。受験生55人が10以上の教室に分かれて面接を受けます。遠くから来ている人が先で、青森市内の受験生は後回しということで、たいしは4番目(最後)。 親と子どもが一緒に面接に入りまして、途中から子どもだけの面接になり、親は廊下で待機します。親の面接もあるので、たいしに練習させたように、ママもたいしと同じようにカードを作ってQ&Aをやっておりました。 面接開始5分前に、点呼を取る場面がありました。受験生たちが、呼ばれた番号に対して「はい」と返事をする中、「38番」と呼ばれたたいし、「はい!」と手を上げ、さらに「ぼくです」と大きい声で言いました(別に仕込んだわけではありません)。 1人20分くらいということでいくと、1時間待ちになります。手持ち無沙汰のたいしが、「毛を抜いてやるぅ」と、私の耳に手を伸ばしてくるので、メモ紙を出して、お絵かきさせました。手を動かしながらも、30番台の受験番号が呼ばれると、びくっと手をとめます。 「○番の方、〜〜」と次々に呼ばれて行く中、待つこと1時間10分、「38番の方〜〜」。 さあ、いくぞ。面接室の廊下で、たいしが受験票を取り出すと、引率の先生が「どうぞ」と入室を促します。いよいよ入室です。 たいしがノックすると、中から「どうぞ」の声。たいしが扉を開け入室、私もたいしの横に並び、ママが入って扉を閉めていると「どうぞおかけください」。あらら、たいしの「失礼します」があとになった。3人でいすに進み、「よろしくお願いします」と、腰をかけました。 「受験番号と名前を言ってください」「はい、38番貝吹大志です」 たいしへの質問が始まりましたが、なかなか練習どおりにはいきません。 「部活動は何かやっていましたか?」 ちょっと間をおいて「野球部」。 えっ!? と私とママ。ほぉーという顔の面接官。 「・・・の応援です」とたいしが言葉をつないだので、面接室に思わず笑みがもれました。 いくつかの質問に、たいしがたどたどしい返答をしたところで、「それでは、お父さんお母さんにお聞きします」「はい」「お子さんのよいところはどんなところですか?」。たいしがもにょもにょと何か言いましたが、「お父さんお母さんが答える番だからね」 これを含めて、親への質問は4つで終わり、「ここからはお子さんだけの面接となります」ということで、私とママは退室。その後はどんな展開だったのか、全くわかりません。 やがて、たいしの後ろ姿が扉のガラスに見え、深々と頭を下げると退室してきました。ゆっくりと扉を閉めてふりむくと、「ふうーっ」とため息。たいしもかなり緊張していたようです。 学校の玄関を出て、車に乗ると「終わったー!」とママ。ママの緊張も相当なものだったようです。 私はと言えば、ちょっと物足りない感じがありました。20分という限られた時間なので、自閉症サポートセンターや児童相談所などでの面談のような、たいしの今の状況や成長のあとなどを充分に語る場面がなかったからだと思います。 家に着くと、たいしは早速パソコンのスイッチを入れて、仮面ライダーアギトの動画を開くと、大声で主題歌を歌っていました。お疲れさま。 ◆盗撮は犯罪です 受験から家に帰ってきて、緊張から解放されて、大声で歌っているたいしをビデオカメラで撮ろうとしたら、「やめろーっ」と笑いながらカメラのスイッチを切りにきます。 何度かそれを繰り返したので、あきらめてお茶を飲んでいたら、「お父さん、これを見なさい!」と私の手をひいて、パソコンの前に連れていきました。 画面は、「映画をカメラで撮影することは犯罪です」という旨の画像。これは、ゲゲゲの鬼太郎の映画を見たときに、映画館で一緒に見た映像だね。「盗撮は犯罪です」とたいし。 「お父さんは映画を盗撮したりしないよ」「ぼくが仮面ライダーアギトの歌を歌っているところを盗撮しようとしたぞ」 うむ、確かに。そうか、たいしもカメラに撮られたくない気持が出てきたんだね。・・・たいしダヨリーを始めたころ、「ぼくのこと書かないで」と言う日が来たらやめた方がいいなと思っていましたが、そろそろ、たいしの撮影やたいしダヨリーも卒業する時期が来たのかも知れません。 |
|||