た い し ダ ヨ リ ー  ★5年生編★
    第193号 テーブルニアガルト・・・




◆本屋さんまで遠足

 日曜日、久しぶりにたいしと散歩の企画を立てました。
 前の日にママが、「明日お父さんがたいしをどっかに連れていってくれるってよぉ。どこに行きたい?」ときいたら、「トイザラスデス」と言ったそうです。トイザラスで買いたいのは、“デカバイクロボ”。でも、5千いくらするからちと高いぞ。
 たいしに、貯金箱の小遣いを数えさせると、2500円ほど足りませんでした。1日のお手伝いで稼ぐのは、無理。宮脇書店とツタヤで納得した、とママが言ってたんですが・・・

 日曜日の朝、「今日はどこに行きますか?」とたいしにきくと、「トイザラスデス」。「でも、お金が足りないので、デカバイクロボは買えません」。トイザラスまでは車でないと行けないし。
 そこで、紙に「宮脇書店 ツタヤ ゲオ ○○公園 ××公園・・・」と1時間くらいで歩いて行ける場所を書いて、「どこに行きますか?」。
 たいしは「ツ・・・」と、迷わずツタヤを指差しましたが、キャンセル。「ミヤワキショテンデス」と本屋さんコースを選びました。「よーし、じゃあ今日は宮脇書店まで歩いていって、本を1冊買います」
 宮脇書店に歩いて行くのは初めてなので、歩くコースも初めて。家から今までとは違う方向へスタートしましたが、混乱することなく、たいしは足を進めてくれました。
 途中、養護学校の前を通ります。「たいしくん、中学校を卒業したら、ここの高等養護学校に入れるかな?」 ・・・たいしは、反応せず、すたすたと歩いていきました。
 しばらく行くと、普通高校があります。「それとも、この高校に入りたい?」 ・・・やっぱりすたすた行ってしまいます。
 本屋さんに着いたのは10時を過ぎたところで、まだ店を開けたばかりでした。家から約50分。たいしは、ポケモンの本を取ったかと思うと、テーブル(この本屋さん、児童書コーナーに4人がけのテーブルがあります)に持っていって、ぱらぱらめくっています。私はその間に自分の趣味で本を探します。
 たいしはしばらくの間、本をとっかえひっかえ、テーブルで見ていたのですが、気づいたらレジのところにいました。「たいしくん、買う本を決めましたか?」 見たところ、選んだ本らしいものがありません。すると、店員さんが「お預かりしてました」。と、横からデカレンジャーの本を出しました。あらら、お金がないから親が来るのを待っていたようです。失礼しました。
 デカレンジャーのロボットの代わりに本を選んだんですね。その選択はひょっとすると、本屋さんに来てからではなく、「ツ・・・」をやめて「ミヤワキショテンデス」と言ったときだったのかも知れません。
 本屋さんを出たのは10時半。けっこうゆっくりしてました。「帰りはどっちに行きますか?」とたいしにきくと、「コッチダ」と自信をもって、来たときとは別の道を選びました。ちょっと遠回りだけど、ま、いっか。「お父さんはたいしについていくから、好きな道を選んでいいよ」
 ということで、おなじみのカローラのお店の角を曲がるコースを帰ってきました。こっちは、何度か歩いたことがある道です。帰り道は、日差しが強くなって暑かった。自販機を見つけるたびに、「何か飲みますか?」ときくんですが、「イリマセン」。でも、私の方ががまんできなくなって、ジュースを買おうとしたら、たいしも私がチャックを開けた小銭入れの中に手を突っ込んできました。「いくらのを買うんですか? 120円?」「130エン」。おー、ちゃんとほしいものがいくらか、把握してますね。
 家に着いたら、11時50分。帰りは1時間20分もかかってしまいました。実は前日の自閉症研究会の飲みで二日酔い気味だった私、ぐったり。


◆テーブルニアガルト・・・

 小さいハエが2匹部屋の中を飛んでいるのを発見! 撃退のために、たいしレンジャー出動! 武器はもちろん、はえたたき。
 たいしがはりきってはえたたきをふりまわしましたが、はえは飛び回るばかり。「ハエクーン、コッチオイデ」 って、くるわけはない。「ハエヲオサエテ」 って、誰が?
 「たいし、ハエがとまるまでじっとしててごらん」と、私が作戦を授けます。たいしは動きまわるのをやめ、しばし、ハエが飛ぶのを眺めていましたが、目線がテレビに行っちゃう。「テレビ見てるとハエがどこにとまったかわからなくなるよ」。
 やがて、ハエが蛍光灯にとまりました。イスに上がって、はえたたきをのばすたいしレンジャー。「トドカナイヨォ」「テーブルに上がれば?」 すると、「テーブルニアガルト、オカアサンニシカラレル」。そっかー、そうだよねー。冷静だねー。 ・・・そのうちにハエは飛んでいってしまいました。
 すったもんだの末、1匹撃退。もう1匹は明日のお楽しみとなりました。


◆ハミガキガサキデス

 5年生は音楽の時間、“キリマンジャロ”という曲の合奏の練習が始まったところだそうです。たいしは、他の子どもたちより早く、メロディオンの演奏を覚えちゃったんだそうです。ただし、たいしは、息を吹き込むとつばが多いらしく、さらにそのチューブを振りまわしてつばを飛ばして他の子どもたちにひっかかる、ということで、学校にある小さい電子キーボードを使うことになったということです。
 ・・・というママの話を聞いているところに、たいしが入ってきました。ママが「たいし、“キリマンジャロ”ひいてちょうだい。10円あげるから」。 パパにも弾けるところを見せて、という意味ですね。
 たいしの返事は「ハミガキガサキデス」。なるほど、既に歯ブラシをくわえておりました。 そうだね、ちゃんと歯磨きが終わってからだね。・・・それにしても、ちゃんと自分がやっていることを把握して、やることの順序を決めて、それをことばにできた、ということですね。

 さて、たいしが弾き始めました。聞いたことがない曲なので、最初はよくわかりませんでしたが、左手でしっかり和音も入れながら、右手でメロディーをひいています。右手は似たようなフレーズを繰り返しているので、むしろ左手が難しいかも。テンポが遅くなったり、間があったり、というのはありましたが、けっこう長い曲をしっかり集中して最後まで弾きました。曲の最後はなんとなくわかりにくかったけど、こっちに顔を向けたので、終わったんでしょう (^^ゞ、拍手です。

 家でも以前から、ビデオなどで気に入った旋律があると、何度も巻き戻して繰り返して聞いて、それをキーボードで弾いてみたりしていたので、一応音楽的なイメージは持てるようです。
 たいしはそのまま続けて、キーボードの音色を変えて、世界に一つしかなく二度とは弾けない曲を奏でておりました(つまり、いたずらして音を鳴らしていました)。



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