た い し ダ ヨ リ ー  ★5年生編★
    第182号 マケガイインデス



◆食べたいけど「アシタデス」

 7時頃仕事から帰ってきたんですが、ママとミューは歯医者に行ってまだ戻っていないようで、たいしが「オカエリ」と迎えてくれました。ビールの栓を抜いて一服していると、「サンジノオヤツ」と言いながら、たいしが近寄ってきました。そりゃ、お腹空く時間ですよねぇ。
 「何のおやつ食べるの?」と言いながら見ると、ジャガリコを持っていました。ところが、私と目が合うと、「アシタデス」。「そうだね、今ママが帰ってきたらごはんだから、おやつは明日にしようね」
 でも、それからまだしばらくママたちが帰ってこなくて、たいしはまた「サンジノオヤツデス」。じゃあちょっとだけ食べようか、とジャガリコを開けようとすると、「アシタデス」。
 食べたいけど、きょうはやめておこう、という自制心が出てきたんでしょうか。結局、テーブルの上にあったパンを1個食べました。


◆なつどまりに「イキマセン」

 久々のなつどまり希望の家参加でした。
 前日、「明日はなつどまりに行くよ」と、たいしに告げると、案の定涙目になりながら「イキマセン」とか「コロナワールドデス」とか言って抵抗を示しました。それでも、話題にはのってきて、「ナツドマリノセンセイ」と言います。なつどまりの先生と言えば・・・さかた先生!(123号)
 でも、さかた先生は、退職していなくなってしまいました。すると、またも涙目。 
 実は、申込みしたのは、4月だったんですが、あまり早く教えると不安定(93号、122号)な日が続くだろうということで、前の日まで黙っていました。
 朝も、「行こう」と言うと、「テレビヲミルンデス」とか「ゴハンヲタベルンデス」という調子で、出かける態勢をとりません。「ごはん食べよう」と何度誘っても、テレビ見たりゾロリカーをばらして広げて組み立て直したりして食べようとしなかったんです。・・・もしかして、これ、牛歩戦術?
 やむなく、ママが遅れる旨の連絡を入れ、結局予定より1時間遅れで出発しましたが、それからは、納得したのか、あきらめたのか、特に抵抗はありませんでした。やっぱり早めに予定を告げて、気持ちの整理をつけさせた方が(もしくはその練習をした方が)いいのかも知れません。


◆ヤッタゼ

 施設に到着すると、開講式が終わり、既に体育館に移動したとのことで、部屋に荷物を置いて着替えさせてすぐに向かいました。体育館はけっこう遠くて、廊下をうねうね曲がって行くんですが、たいしにはもう慣れた道。ひとりですたすたと歩いていきます。
 体育館に着くと、ぞうきんがけ競争をしていました。バスケットコートくらいの長さを5往復ですって。あわてたためにビデオを忘れたので、私が取りに行って戻ってくると、たいしはもう「最後の1回だよ」の声がかかっていました。なんと早いこと。そしてゴオルゥ! 決めのセリフは「ヤッタゼ」。今回のなつどまりでは、ヤッタゼを連発するたいしです。
 「ツカレター」と、たいしが終わったモードになりかけたとき、「ごめん、たいしくん、もう1回だった」と職員のおねーさん。「あちゃー、たいしくん、もう1回だって。がんばって」
 それでも、たいしは、パニクることなく、ぞうきんがけの途中でヘッドスライディングのように何度も倒れ込みながらももう1往復やりました。・・・がんばれるようになったもんです。


◆マケガイインデス

 続いては、フルーツバスケット。首から、バナナ、りんご、みかんの絵のついたゼッケンをつけてやりました。子どもが7人しかいないので、お母さん方もゲームに参加します。ルールの説明はもちろんありましたが、よくわかっていない子が多く、「バナナ!」とか「フルーツバスケット!」と自分で言えない子には、指導員さんがプロンプトしたり、子どもが言ったあと、もう一度みんなに伝わるように繰り返したりします。別の椅子に移動してすわるというのがわからずに、うろうろしている子もいて、健常児達が大声を出しながら椅子を奪い合うのとは、かなり違ったムードです。
 たいしは学校でもやったことがあるんですが、まだルールがよくわからないのか、単にのりが悪いのか、バナナ!と言われただけでは立ち上がろうとしないので、背中を押して立たせてやりました。移動しないでじっとしていたら、「たいしくん、移動してない」とばれて、鬼になった。でも、鬼の役は「フルーツバスケット!」としっかりした声で言ってましたよ。
 その次は、椅子とりゲーム。これは学校でもやったから、できるよな、と思いきや、笛がなって曲が止まっても椅子にすわろうとしません。ほんとに競争心がないんでしょうね。「たいしくん、椅子に座らないと負けだよ。悔しいねー」と声をかけられても、「マケガイインデス」。なんかもう悟りを開いちゃったみたい。1回戦で敗退。その後も敗者席に悠然とすわっていました。ひとりであちこち行こうとしなかったのは、それなりに先輩のプライドなんかもあるんでしょうか。
 今回は小さい子が多かったから、やりがいを感じないのかしら? それとも手加減しているんでしょうか。「いつの間にか、一番年長になっちゃいましたもんねー」と先生。そうですよねー、もう5年生ですもんねー。椅子にすわらずに、体育館を走り回る子もいて、昔のたいしを見ているようです。


◆ぞうきんがけは「ナンカイ?」

 さて、昼食のおかずはとりのからあげにポテトフライということで、これならたいしも食べられると思ったんですが、少し食べただけで、椅子に腰掛けてうずくまっちゃった。また牛歩戦術ですか。
 食後は、掃除があります。たいしは給食室の掃除機がけと床のぞうきんがけ。先生が床一面に細かく切った白いひもをまき、これをたいしが掃除機で吸い取ります。掃除する前に床に散らかしたのは、全体に掃除機をかけるというのを自閉症児にわかりやすくするためのテクニック。掃除機は家でも何度も使っているので、たいしは得意。
 ぞうきんがけの段になると、たいしは「ナンカイ?」って、きいてました。・・・さっきの数え間違い事件の影響でしょうか。でも、自分から、見通しを立てるための情報をとろうとするのは初めてだと思います。
 たいしは昼食が長引いたせいで、昼休みなしで、午後の部です。午後の部は、芋植え。バケツの水運び。じょうろで水やり。苗を植えて土盛り。ママや先生方の指示を受けながらでしたが、たいしもちゃんと作業していました。5年生だもんねー。   (つづく)



トップページへ戻る次へ


@nifty ID:CQS02257