|
◆マニアエー
朝7時の着替えの時間を過ぎましたが、たいしはごろごろしています。「たいし、着替えしないとイソゲイソゲになっちゃうよ」。すると、「マニアエー、マニアエー」とたいし。
また語彙が増えたのはいいけど、口で間に合えと言っただけで自分で動かないと、間に合わなくなるよ。
◆コレヲタベマス
夕方、ママがスパゲティーをゆでようとしていると、たいしがレトルトのスパゲティーソースを持ってきて、「コレヲタベマス」。
へーっ、自分から何が食べたいなんて言うことは滅多にないのに、これは珍しい。しかも、お菓子じゃなくて、よりによってスパゲティーのソースを選んで意思表示するとは。
自分で選んだ味のスパゲティーだったせいか、いつもの食事の量よりは多く食べたようです。それでも一皿は無理だったようで、少し残して立ち歩き出しました。
「たいしくん、もう食べないの?ごちそうさましてないよ」。戻ってきたたいしに「ゴチソウサマ」と言わせて、残りはママが食べることにして、他の食器を流しに運ばせ食事終了でした。
◆忘れ物に気づいた
朝、出発がイソゲイソゲの30分を10分も過ぎてしまいましたが、たいしは今日は余裕のかまえでマイペース。やっと準備ができてランドセルを背負って歩き出しました。
「ハンカチ、ちり紙は持った?」「ハァ〜イ」 そして、「イッテキマス」「はい、いってらっしゃーい」「キヲツケテネェ」。こっちが言わないと自分で“気をつけて”と言います。
ところが、すぐに戻ってきた。
「どうしたの?」「ハンカチ、チリガミ」 おー、忘れ物に気づいて戻ってきたのかい(って、さっきの返事はなんだったんだい)。
でもって、そう言いながら、カサをとった。たいしたことないけど、ぽつりぽつりと雨模様でした。
忘れ物を取りに戻るなんて初めてでした。自分で判断して行動できている様子です。
その日の午後、特別児童手当受給資格の継続のために必要な診断を受けるために、ママがたいしを児童相談所に連れて行きました。
医師の診断は、「自閉症を伴う軽度の発達遅滞」。 IQは69で、これまでの最高を記録しました。もしさらに上がると、愛護手帳がもらえなくなるなど、サービスが受けられなくなります。
自閉症は、イコール知的障害ではなく、知的障害を伴わない自閉症もあるのですが、そういうケースは、今の制度では福祉サービスの対象外となってしまうのです。
ま、それはそれとして、たいしくんはどんどん成長していいんだからね。
◆サワッテワイケマセン
夜、「たいしくん、はみがきしよう」と言うと、「サワッテワイケマセン」。
その日、洗面所の流しがつまったので、ママが“水を出さないでね”と書いた紙を貼っていたんです。でも、もうなおったからもうだいじょうぶだよ。
紙はもうはずしてあったんですが、たいしはその紙をさがしているようです。
ママがゴミ箱にあるのを見せると、たいしはそれを拾って文面を読み上げました。そして、「ヤブイテモイイデスカ」。「いいよ」
すると、それを細かくちぎってまたゴミ箱に捨てました。
この日は、いつものように手を洗ったりしようとするのを自分で押さえてきたわけですが、もうがまんしなくてもいいというように、自分の中のルールの切り換え、禁止事項の解除を納得させるための儀式だったような感じです。そうやって、自分の感情、行動をコントロールする力をつけていっているんですね。
ところで、なぜ流しがつまったかというと、前日酔っぱらって帰ってきた私が、ゲロしてしまったから。たいしが成長してきているというのに、私が一番のトラブルメーカーになってたりして (^^ゞ
〔たいしのはみがき〕
たいしは、歯磨き粉を歯ブラシにつけると、なぜか指で毛先の全面に塗りつけて、それから磨きます。誰もそんなことを教えてないのに、どうしてそんなやり方を覚えたのかは、謎のままです。
◆ドーナツづくり
たいしに何か料理することを経験させたいということで、おばあちゃんにも手伝ってもらって、ママがたいしにドーナツを作らせてみました。さて、どうなりますことやら。ここからはビデオの録画の実況中継です。
おなべに油をいれるよ。たいしは「アブナイデス」と言いながらも、両手で持った油びんを傾けて注ぎます。
さあ、卵を割るよ。これまた「アブナイ」と言いながら、ボールのふちにコンコンコン。「ワッタゾォ」と割れ目を確認して、「コナゴナニサレチャウゾォ」と言いながら、両手で中身を出そうと・・・ちょっと間があったけど、「デタァ」。うまくできました。からはどこ?・・・そう、ごみ箱。
次は、小麦粉の袋を開けます。はさみなら得意だぞと、ビニール袋の上を切りました。ママの「ボールに入れて」という指示で袋を持ち直します。なぜか、そこでどうするか迷ったのか、下に向けようとしたり戻したり。「ボールニイレテ」「うん、入れて」とママに確認して、はい、上手にこぼさないでできました。
でもって、粉が全部落ちるように軽く袋をたたきました。これは特に指示していません。
袋はごみ箱だよ。おっと、さっき切りとったビニールの端も忘れないで。たいしは「ゴミヲモヤセー」と言いながら捨てます。
(つづく)
|

|
|
|
|