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た い し ダ ヨ リ ー  ★4年生編★
   第146号 スイカワリワ、ウミデス  




◆スイカワリワ、ウミデス

 八戸から帰ってきた翌日は、自閉症協会の療育キャンプで、青年の家に泊まりに行きました。
 青年の家に行くよ、と言ってもたいしは行ったことがないのでわかりません。「青年の家に行って、花火とすいかわりをやるよ。ひとつ泊まったら奥入瀬渓流に遠足に行くよ」ということで連れ出しました。
 車の中で、たいしは「スイカワリワ、ウミデス」と言ってます。すいかわり=海、まあ、普通はそうだよねー、とママと私は笑っていたのですが・・・

 青年の家に到着。たいしとママの部屋は15号。私は14号。男女別なので。いずれも2階にあります。
 ということで、15号室まで連れて行ったのですが、リュックをおろそうとしません。そして、「オウチエカエル」が始まった。「アオモリニカエリマス」と言いながら、くつをはきかえて玄関から出ていきます。しょうがいないから、後を追うとちょっと離れた駐車場の車のところまできてしまいました。
 でも、カギがかかっています。「キーヲクダサイ」「キーはありません」。たいしは、私のズボンのポケットを探りますが、かくしたので、ズボンのポケットにはありません。「キーガナーイ」と、たいしは涙目状態。でも、ここで車に乗られたら、また長引いちゃう。「おかあさんが持っているかも」と言ったら、「オカーサーン、キーヲクダサイ」と言いながら、施設の方へ歩き出しました。
 再び15号室まできましたが、ママはキーを持っていません。そうこうするうちに16時の開講式の時間になってしまいました。ママが、部屋の奥にある机の椅子に座らせて牛乳を飲ませると、たいしはやっと落ち着いたようで、開講式の場所、体育館に移動できました。
 どうも、すいかわりで海に行くイメージでいたようです。予定の伝え方が難しいです。


◆チャンネル争いでゴメンナサイ

 開講式が終わると、たいしはロビーのテレビの前の懇談用の椅子に寝ころがってくつろぎます。たいしは、旅先ではテレビの前が安息の場所なんです。非日常的な場面でも共通に存在する日常的な場所なんでしょう。
 夕ごはんに食べたのは、エビフライ1本だけ。相変わらずの偏食ぶり。
 さて、行事は食後に連発です。和太鼓鑑賞が19時から。ところが、土曜日の19時と言えば、クレヨンしんちゃん、つりバカと、マンガタイムではありませんか。他のみなさんが体育館に集合しているのに、たいしはテレビの前から動きません。数人がたいしに声をかけてくれましたが、やっぱり動こうとしません。
 「10数えてもいいかい? 10、9、8・・・」カウントダウンは最後の手段。たいしはしかなたく移動しました。
 和太鼓はすごい迫力でしたが、たいしは耳ふさぎもなく熱心に見ていたようです。ねぶただいこで慣れたかな?
 最後に“幸せなら手をたたこう”をみんなで歌いましたが、手をたたいたり足ぶみしたり、たいしもちゃんとやってました。

 さあ、次はお待ちかね、花火だよ。でも、玄関から出る途中でテレビの前にごろん。そこで、後からきた子が、チャンネルを野球に変えたので、「ア゛ー、カエチャダメデショ!」と、起きあがり(こういうときの瞬発力はすごい)、リモコンをとりあげました。なにしろ、テレビはこれ1台ですから、翌朝まで、何度もチャンネル争いがありました。しかし、チャンネル争いの相手もみんな自閉症ですから、簡単にはゆずりませんで、たいしがリモコンで相手の手をたたき、ママが「ごめんなさいしといで!」「ゴメンナサイ」「ちゃんと目の前に行って!」 たたたっと相手の子に近寄り「ゴメンナサイ」と頭を下げるという場面もありました。
 そして、花火はつりバカが終わる20時からでしたから、気に入ってやっておりました。そして、すいかわりもやらせてもらって、機嫌がよくなったようでした。

 就寝は22時半。たいしとママは2段ベッドの上段で別々に寝たので、不便だったそうです(私は下段でした。ラッキー)。夜中にたいしが目を覚まして「オカアサン」と言ったので、カーテンのすき間に手だけ入れてふって見せたら、安心したようだったとのことでした。

    


◆朝からテレビ

 朝は、6時半の起床。部屋のそうじやら寝具のかたづけやらをして7時45分の朝食になります。でも、日曜日の7時と言えば、クラッシュギア! 7時半からアバレンジャー! ということで、「アバレンジャーが終わったら朝ごはんだよ」ということにして、みなさんより遅れて食べることにしたのですが、アバレンジャーが終わると、「(仮面ライダー)ファイズモミタイヨー」とごねています。「すばやく食べれば、ファイズも見れるから、行こう」なんて言ってもだまされません。ママが牛乳を見せて「食堂で飲むよ」と言ってもダメでした。
 やむを得ず、カウントダウン開始。泣きながらもたいしは食堂へ。ところが、おぼんを持っておかずの棚まできたら、「ファイズモミタイ!」と言って、おぼんをおいて行っちゃった。なかなか手ごわいけど、親たるものここで動じてはいけない。とにかく、ごはんの用意だけして、私はそのまま朝食、ママはたいしの説得に向かいました。
 私が食べ終わってママと交代。たいしは泣きながら「ファイズモミタイヨー」と叫びます。隣に座った自閉症の中学生が「この子うるさいから部屋に連れてってくれない?」と言います。「ごめんね」とあやまる私。すると、たいし、「ギュウニュウヲノミマス」と立ちあがりました。やっと食堂へ行くきっかけができたと思ったら、なんと階段を上がって行きます。15号室に戻って、「ギュウニュウヲノムバショ」と言って椅子に座り、ママが机の上においた牛乳(バスの中で飲むために用意した牛乳でした)をとって、飲みました。
 それで落ち着いたようで、やっと食堂へ。もうほとんどの人が食事を終わって、食堂はがら〜んとしています。小さく切った卵焼きとささかまぼこを口に放り込ませるようにして食べさせ、バスの出発時間が近づいてきたので、ごちそうさまでした。
 またまたテレビの前に行って「ナージャガ・・・」モニョモニョ言ってましたが、ぼうしをかぶらせ、リュックをしょわせると、気分が変わったのか、玄関へと向かいました。あとはボランティアさん(大学1年のおにいさん)と手をつないで、おとうさん、おかあさん、バイバーイ ってな感じで、バスに乗っちゃいました。
                              (つづく)




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