
|
◆さあ、戻るよ
きょろきょろしながら、人混みをかきわけて進むと、登山道の向こうからたいしが姿を現しました。「たいし!」
あー、よかったよかった。「さあ、みんなのところに戻るよ」とたいしの頭を軽く2、3発たたきました。たいしは何ごともなかったように、もときた道をずんずん戻っていきます。
きっと、集団が小休止して、自分のまわりが涼しくなったので、異変を感じて戻ってきたんだろうな、と考えながら山頂駅まで戻ると、みんなで名物コケモモアイスクリームを食べていました。あ゛ー、よがったー。コケモモアイスがとてもおいしかった。でも、たいしは、やわらかいソフトクリームでないとなめられないので、食べないって。ったく、もう。きみってヤツは。
そのあとも、何か所か名所によって行きましたが、たいしが独走しないよう徹底的にマーク。そのの日の宿の諏訪湖荘に着いたときは、もうぐったりでした。
◆ミステリーゾーン
もっと面白い事件が起きたのは、翌朝でした。
疲れてはいたものの、私は早く起きて、パソコンを取り出し、今回の旅行記(この原稿)の入力を始めました。4時前に一度目を覚ましたけど、電気をつけるのははばかられたので、部屋が少し明るくなってからと思い、再びうとうとして起きたのは5時半。
そして、ある程度までぱたぱたと打ったところで、1階のロビーに降りて一服しておりました。タオルを持った浴衣のお客さんが階段から下りてきてお風呂の方へ行きました。続いて、その後からひょこひょこと寝ぼけた顔で、少し浴衣をはだけて降りてきたのはなんとたいしじゃありませんか。
私が部屋を抜けたあと、たいしがむくっと起きて「オトウサン」と言い、ママが「お父さん、お風呂かな」と言って、たいしがすたすたと降りてきたんだな、とその一瞬に思いました。
「たいし!」と呼んでも、そのまま行ってしまいました。さて、いったんタオルを取りに行こうか、そのまま追いかけようかと迷いましたが、そのままたいしを追いかけることにしました。この時の判断は結果的に間違っていました。
お風呂に行くと、おじいちゃんがちょうど上がったところで、「たいしがきたからびっくりした」。名前呼んでも反応しないから機嫌が悪いなーと思ったそうです。
たいしは浴衣のひもをほどこうとがんばっています。「おお、いいぞ、ひもがほどけるようになったね」と私はたいしの頭をなぜます。たいしは、黙っているし、こっちの顔もみようとしません。たいしがお風呂場に入っていったあと、おじいちゃんからタオルを借りました。「たいし、顔つきが変わってないか」「たぶん、寝ぼけてんだよ」。私がお風呂場に入っていくと、たいしは、てっきり湯船に入っているかと思いきや、洗い場に腰かけてシャワーを体にかけています。
おー、すごい! 夕べそこで洗ってあげたから覚えていたのかな。「シャワーの使い方も覚えたの、すごいね」。でも、たいしは全然反応しません。
「?」
鏡に映ったたいしの顔がなんとなく違うような・・・???
たいしが動かないので、いったん離れて、私は湯船に入り、様子を見ることにしました。
すると、間もなく、隣で体を洗っていたおじさんが、たいしに二言三言声をかけて一緒にあがっていきました。
「!」
♪チャ ラ ラ ラ ・ チャ ラ ラ ラ・・・ ミステリーゾーン
ゾーン ゾーン ・・・
あなたの子どもにそっくりな子どもはこの世に3人いる!!
たいしじゃなかった。 (ひーっひっひ・・・ 今思いだしても恥ずかしいけど笑えます)
お風呂からあがると、おじいちゃんが脱衣場に戻ってきていました。「たいしじゃなかった」。ぎゃはは・・・
部屋に戻ると、たいしはしっかりふとんに寝ていました。ママに報告して、また大爆笑。
よくよく考えてみると、たいしは寝る前にパジャマに着替えたんだった。あー、朝からどっと疲れた。
|
 |
◆ひとまわり大きいたいし
「さあ、朝ごはん食べるよ」と、たいしを起こすと「コンドコソオウチカエルヨ」。「きょうはディズニーランドに行くよ」「ジャスコニイクヨ」。もう、ディズニーランドよりジャスコの方がいいのかい。 ・・・たいしにとってディズニーランドは、ビデオの中の世界で、現実のものではないのかも知れません。
朝ごはんは食堂です。すぐ近くのテーブルにさっきの子がいました。後ろ姿はたいしそっくり。でもあっちは、5年生くらいかな? ひとまわり大きいたいしでした。
でも、反応しなかったのはなぜ? 食事中も口数は少ないようでしたが、普通に会話しているようでした。単にねぼけていたんですね。
ほんとうにねぼけていたのは、私だったかな?
◆ディズニーランドだー
さて、上諏訪の駅から特急あずさで東京に向かいます。午前中は移動時間。特段何ごともありませんでしたが、たいしは「オウチカエルヨ」を連発していました。
秋葉原で山手線に乗り換え、さらに東京で京葉線に乗り換え。ここの乗り換えの距離がやたら長かった。舞浜駅で降りたら、まずコインロッカーを探すつもりが、ディズニーランドだーという感じで、忘れてしまい、ディズニーランドのゲートまで重い荷物を持っていくことになってしまいました。途中のおみやげ屋さんにコインロッカーがないかな?とよってみたんですが、ありませんでした。
荷物を預けるなんてわからないたいしは、まっすぐゲートをくぐろうとしていましたので、「ちょっと待って!」 そして、荷物は極力コインロッカーへ。
そして、旅行社にとってもらった 入場予約券をパスポートに取り替えました。ミューはもうわくわく、たいしもぴょんぴょん。
|
 |
|