全国のたいしファンに贈る!たいしの魅力満載!
た い し ダ ヨ リ ー  ★3年生編★
   第85号 ちょっと疲れ気味


◆一緒にやりたい!

 中休みにママが放っておいたら、たいしは校庭に出てしまい、チャイムが鳴っても戻ってきません。様子を見に行ったら、5年生が体育で校庭を走っているのと一緒に走っていました。教室に連れて戻り、先生に報告すると「楽しそうだったからじゃないですか」と、さらりとひと言。

 さて、3年3組の体育の時間もあり、こちらは体育館で大なわとび。たいしは、壁にあるはしごのようなものによじのぼって、しばらくみんなの様子を見ていましたが、みんなが楽しそうに跳ねているのを見ると、乱入して跳ねようとしたり回している子からなわを取って自分がまわそうとしたり、とマイペースではありましたが、参加しようとする姿勢がずいぶん出てきました。ただ、ルールを守ろうとしないので、先生がたいしを跳ねる列の後ろに並ばせてくださる場面もありました。

◆ちょっと疲れ気味

 始業式から数日、たいしも環境の変化に合わせるべくがんばっていたのでしょう、朝起きられませんでした。着替えをやらせても寝る、おしっこさせても寝る、朝のコゲパン作らせてもまた寝る、という調子だったので、少し遅れて学校に出ました。
 起きられなかったのには、それに私の方も職場が変わって残業が増えてきたので、帰りが遅くなると寝ようとしていたたいしやミューが復活したりして、寝る時間が遅くなってきたこともあります。この前の日にたいしが寝たのは10時すぎでした。
 ところで、環境の変化に合わせるのが大変だというのを、職場が変わったので私の方も経験しておりました。一つ一つの仕事の進め方がわかっていない、書類の置き場所がわからない、引き継いだワープロ文書が一太郎、ワード、オアシス、書院とばらばらで、さらにネットワークのあちこちに保存されていて、これをさがすのにまた時間がかかる。そして何かやろうとしていると、なんだか意味がよくわからない文書や電話がかかってくる。というわけで、4月1日からの1週間は朝起きると全身が肩こりという感じの状態でした。
 それでも、たいしが環境の変化に合わせる労力を考えると、まだたいしたことはないんだと思います。自閉症児の世界は、言葉も地理もわからない外国の街に突然放り出されたような状態だ、というように例える人もいます。たいしが疲れているのは無理もありません。ちょっぴりたいしの混乱する世界をかいまみたような気がしています。

 さて、たいしは結局2時間目の途中からの出席となりました。社会の授業中でしたが、席についたたいしは、お絵かきを始めました。得意のトイストーリーの“TOY”を書いていると、新しくクラスメートになった子が、「すごーい、英語書いてる」。
 中休みに、たいしが外へ出ようとしましたが、ママが「きょうはちょっと寒いから昼休みにしよう」と提案。すると、なんとたいしはジャンバーを着て行こうとした。「寒い」の方に反応したようです。再度交渉の結果、外へ出るのは昼休みに延期。
 ところが、お昼近くに雨が降り出したので、昼休みも出られません。雨の日、たいしはちょっと不安定になります。朝からの不調、昼休みの予定変更、雨、と悪条件が重なったところに、クラスの子たちが、たいしのくすぐり遊びをやったのがきっかけでパニックとなりました。涙目になってその子たちをたたき始めました。前からの友だちのたくやくんは「わだっきゃ、わかっているからいいんだ」と、たたかれても平気な顔してましたが・・・。たくやくん以外の7人は、新しい友だちだったので、ママがいい機会だと思って、「たいしはこういう障害のある子だから、わかってちょうだいね」と簡単に説明しました。

 帰り道。ママがたいしの前を歩いていて、ふと後ろをふり向いたら、いません。カーブのところで、たいしを見失ってしまいました。あれっ!? とキョロキョロしていると、通学路からはずれて市営住宅の細道にいた!! 向こうからママの様子を眺めてニマニマしていました。かくれんぼする感覚があったんでしょうか?


◆お散歩

 前に車の後ろをへこませてしまったので、修理のために車屋さんにもっていきました。車で行くと、10分もあれば着くんですが、車を預けたら、天気もいいし帰りはたいしと歩いてみることにしました。
 たいしも昔から歩くのは好きで、小走りにどんどん進みます。信号ではちゃんと止まります。ただ、横をみながら走っていくので、だんだん車道に近づいていく場面もあって、3回くらい「たいし!」と叫びました。
 途中、自動販売機で、「何か飲む?」とボタンを押させたら、なんと他のジュースに目もくれず迷わず「爽健美茶」のボタンを押した。しぶいねー。プルタブを開けて渡したら「スッパイ!」と言ってすぐ私に返してよこした。すっぱい? どこが。普通のお茶だよ。残り全部私が飲むことになるのかなー、と思いましたが、歩きながら渡すと少しずつ飲んでました。最後あと少しになったら、私の手からばくっと取り上げて、すするように飲んでました。缶はちゃんと燃えないごみに捨てるよ。
 さて、およそ1時間歩いてやっと家に到着、と思いきや、たいしは家の裏の公園のアスレチックにのぼり、さらに20分ほど遊びました。元気だねー。


◆「レベルサンジュウ」

 たいしは、最近“モンスターズ・インク”のパソコンソフトにはまっています。各種のゲームがレベル1から30まであって、少しずつ難しくなっているようです。レベルの低い方から順番にクリヤしないと次のレベルに進めません。たいしは「レベルサンジュウ」と言いながら延々とやっています。何度かチャレンジしてクリヤできないと私を呼びます。
 私が居間にいると、腕を下から上に大きくふって「オイデ」と、新しいコミュニケーションパターン。私が動かないと腕をつかんで「タツ」。立ち上がると、もう来るもんだと思ってパソコンに走っていき、椅子をひいて「スワル」。これは私にいすにすわってゲームをやりなさい、の意味です。
 どれ、とつき合ってやろうとすると、画面はレベル30。おお、がんばったね。でも、これがけっこう難しかったりしてパパも失敗。「次、たいし」と立ち上がると、またたいしがチャレンジしましたが、やっぱり失敗。でも、「もう9時だから寝るよ」と言ったら、ゲームを終了させました。よしよし、明日また挑戦しようね。
 それにしても、このゲーム、少しずつレベルを上げながら最後の30まで行くようにすることで子どもに目標も提示しているので、たいしにも興味を持たせるしかけになっているんですね。うまくできてるんだなー、と感心。




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