大志とともに  −自閉症子育て日記−
    第51回 終わりに

 大志が小学校に入学したとき、F幼稚園やY園の先生方など、それまでお世話になった方々に大志の近況を知らせたいと思い、「たいしダヨリー」を配り、そのホームページも作ってきた。
 3年生までママが付き添って普通学級に通ったが、私も毎日「今日学校でこんなことがあったよ」と、毎日ママからの報告を受けるのが楽しみだった。そして、この貴重な出来事をわが家だけで楽しむのはもったいない、ということもあり、また、自閉症を持っているが、大志はこういう可愛い子どもなんだ、こうして生きているんだということを書きたくて「たいしダヨリー」を、大志の新聞としてここまで続けてきた。
 そして、ここで本物の新聞に掲載していただいて、デーリー東北の関係者には感謝している。

 さて、自閉症について、アメリカでは映画「レインマン」のヒットにより、理解が進んだと聞いているが、日本ではどうだろうか。私自身、大志と出会うまでは、自閉症という言葉は聞いたことがあっても、どんなものなのか、それが障害だということも知らなかった。
 その後大志が成長するにつれ、テレビでも自閉症を扱ったドラマや番組が増えてきた気がする。そして、特殊教育は特別支援教育に変わり、発達障害者支援法もできて、世の中は変わりつつあるように思う。
 青森県内でも、福祉施設の関係者が青森県自閉症支援研究会を立ち上げ、年に数回講座を開いているが、参加する施設関係者や養護学校の先生が増えて、毎回熱心に勉強している。自閉症支援のNPO法人もでてきたし、県の発達障害者支援センターもできた。
 まだまだこれからかも知れないが、自閉症を取り巻く環境は少しずついい方向に向かいつつあると感じている。
 この連載の拙い文章も自閉症への理解につながっていけば幸いであるが、自閉症といっても一人ひとり特性が異なる。あくまでも大志のことを書いたので、自閉症はこうだという誤解がないようにお願いしたい。

 大志は中学3年生になった。社会に出る準備を始める時期である。




トップページへ戻る次へ(本を買う)



@nifty ID:CQS02257