た い し ダ ヨ リ ー  ★中学生編★
    第296号 卒業式(最終号)




◆卒業式

 ついに、中学校の卒業式の日になりました。
 呼びかけのセリフを1ついただいたということで、少し楽しみがあって出かけました。
 ただ、練習のときに、たいしが荒れ模様だったと聞いていました。練習だと、指導するための叱りつける声が恐かったり、たびたびのやり直しで見通しがつかなかったりするため、たいしが不安定になって、叫んだり歌を早く歌ったりということがあったようです。
 本番で万が一のときには、先生がたいしの隣に座れるように、空の席が用意してありました。

 ということで、本番です。
 この中学校の卒業式は、卒業生を含めて生徒たちが先に体育館でスタンバイして、保護者や来賓が後から入ってきて着席します。卒業生は、ステージ上にひな壇状の配置になっています。たいしの顔が間近に見える席をとって、ビデオカメラをかまえます。
 まずは、君が代。そしてハレルヤコーラス。そのあと、卒業証書授与です。卒業生が順番に席を立って、ひな壇から降り、体育館中央の演壇に向かって進み、並んでいきます。ところが、その順番が席の順番じゃない。見ている分には次はどの席の子が立つのかわからない。はたして、たいしは自分の順番が分かるのか? ・・・たいしのまわりに生徒がほとんどいなくなってきたので、そろそろのはずですが、早く立ってもいけない。たいしは、自分で順番がわかっているらしく、お尻を浮かせ加減にしてむずむずし始めました。そして、立ち上がると、右端の席から中央の通路まで抜け、他の子どもたちと同じように、並んで進みます。
 3年2組の最後に、たいしの名前が呼ばれました。「はい」と立派に(あまり大きい声ではありませんでしたが)返事をし、他の子と同じように、校長先生から両手で卒業証書を受けとりました。そして、横へ一歩移動し、次の子にタイミングを合わせておじぎ。振り向くと、堂々とした姿勢で、保護者席の前を歩いて通過しました。
 そして、校長先生やPTA会長の祝辞。校長先生は、「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 為さぬは人の為さぬなり」という言葉を卒業生に贈りました。そう、それはたいしについても通じる言葉。 …ずっと忘れないように覚えておこう!!(ママ)
 次は、在校生の合唱「さよなら友よ」。

 そして、卒業生の呼びかけです。
 卒業生が着席している中で、4人だけ立ち上がりました。たいしもその中の一人です。(もしたいしが立たなかったら、後ろの席のみつき君がたいしの肩をポンとたたくことになっていました)
 「八甲田の山々に抱かれたこの戸山の地で」
 「私たちは大きく成長した」
 次がたいしです。すうっと息を吸い込み、
 「いま! 心から思う!」 堂々とセリフを言いました。 ・・・よしよしよくやった。と感慨にひたる間もなく、場面は進んでいきます。
 「旅立ちの場所が戸山でよかった」
 そして、卒業生合唱「ふるさと」。
 ♪うさぎ追〜いし、かの山〜
 呼びかけが続き、「巣立ちの歌」、「校歌」、最後は、「旅立ちの日に」。
 たいしは大きい口を開けて歌っているので目立ちます。以前、音楽の先生から、「たいしくんは、正しい音程で、元気に歌っていて立派です」とほめられたことがあるそうです。

 儀式の最後に、花束贈呈があり、クラスの代表が校長先生やクラス担任などの先生方に花束を贈る場面がありました。たいしも花束を持って、担任の先生の前に進み、花束を渡しました。“すばらしい中学校生活をありがとうございました。養護学校に行ってもがんばります”
 ほんとうにたいしにとって、いい中学校生活だったと思います。先生方のおかげで、ずいぶん成長しました。右肩上がりの高度成長期でした。
 お世話になった先生方や小学校時代からのお友だちとのお別れは、とても残念なことですが、たいしは、これから3年後の次の卒業後を目指して養護学校でがんばります。

♪白い光の中に 山並みは萌えて
 遙かな空の果てまでも 君は飛び立つ
 限りなく青い 空に心ふるわせ
 自由をかける鳥よ 振り返ることもせず
 勇気を翼にこめて 希望の風に乗り
 この広い大空に 夢に託して (「旅立ちの日に」)


 



【刊行終了の御挨拶】

 本紙は、たいしがお世話になった方々への近況報告と、たいしの理解者を増やしたいという気持ちから続けてまいりましたが、たいしが自分を意識し始めた気配があるため、これ以上彼のプライベートを流し続けることはまずい時期になってきたように思います。中学校卒業を機に、ひとまず、一区切りとさせていただきます。
 長い間ご愛読くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。  (完)



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