全国のたいしファンに贈る!たいしの魅力満載!
た い し ダ ヨ リ ー  ★3年生編★
   第90号 登校失敗

       
ピッチャー第1球・・・      投げました!

◆登校失敗

 朝、たいしがごねてふとんから出てきません。ムリくりパジャマを脱がせても、また着てしまいます。抱っこしてトイレに連れて行っても、ふとんに逃げてしまします。「学校に行こう」と言っても「イカナイ」の繰り返し。今までうまくいっていたやり方が全部拒否されて、ついに説得できないまま時間切れとなり、ミューにその旨書いた連絡帳を持たせて、持久戦の構えに入りました。

 結局、1日休んじゃいましたら、夕方、先生から電話がありまして、たいしとも話したいという。「先生は、もう怒らないから明日は学校においでよ」というお話だったようです。その前日にクラス全体に向けてガツーン!と怒る場面があったらしくて、必ずしも自分が叱られたわけじゃないんだけど、たいしも動揺したらしい。それが原因の登校拒否じゃないと思いますけど、先生、気にかけてくれてありがとうございます。
 たいしは、例によって「はぁい」と返事をしながら電話を聞いてましたが、う〜ん、先生のお話、わかったかな?


◆登校成功

 その翌日。やっぱり学校へ行きたがらない。やっと朝食のためにテーブルについたところで、私は出勤の時間です。たいしと私が同じ時間に家を出るとちょうどいいんですが、私はバスなので、待っていられません。
 私の出勤後もすったもんだがあって、NHKの“さくら”が入ってしまった。おじいちゃん、おばあちゃんもかかってやっとランドセルをしょわせて、家から出たら、ママが忘れものに気づいてもう一度家に戻りました。再び出てたいしを追いかけようとすると、なんと! 道端から車道に向けておしっこしていた。「たいし! おしっこはかくれてしなさい!」 っていうか、トイレでしようね。
 でもたいしはランドセルをしょって外に出ると、なぜかちゃんと学校への道を歩いてくれます。このへんは、自閉症のこだわりなのでしょうか。いやだと思っていても、からだに入ったパターンで動いてしまうような感じです。休みの日に「お外に行こう」と連れ出すと、喜んで小走りに公園にまっしぐらなんですけどね。
 たいしもいったん行動が決まると開き直ったか、ぐずることなく、「いちについて」の構えでママを競走に誘ってみたり(運動会が近いからだね)。2人できゃあきゃあ歩いていると、「たいしくんのおかあさん?」と声をかけてくれた人がいて、クラスの、しかもたいしと同じ班の子のおかあさんでした。たいしのことを知っている人は、こんな時間に母子ふたりできゃあきゃ言いながら学校に行こうとしてても“?”とは思わないようです。
 さて、学校についたのは、1時間目が終わる5分前。教室の後ろからそーっと入ると、みんな一生懸命なにやら書いている最中でしたが、いっせいにふり向きました。先生も「たいしくん、よくきたぁ!」と歓迎の辞。「よかった、よかった、バケツの係をどうしようかと思ってた」 ・・・?・・・ そうだよ、たいしもクラスの一員なんだから、役割があるんだ。

 体育の時間は、運動会の“台風の目”という種目の練習。3人で一緒に長い棒を横に持って走ります。たいしくんは真ん中だ、やっぱりはじっこだ、とまわりがふりまわしたので、たいしがちょっと不機嫌になりました。ママが「たいし、真ん中」と棒を持たせようとしましたが、逆らいます。これを見た先生がやってきて、たいしを真ん中にさせると、すんなり言うことをききました。 あ〜ら、先生の言うことはきくんだねぇ。

 音楽の時間は、もはや役割となった指揮台に立ちます。でも、たいしの指揮棒はリズムにかまわずふられるので、先生が横でみんなの方を向いて、タンバリンでリズムをとっています。
 曲の合間にたいしは、退屈して指揮棒の先で自分の上唇を持ち上げたり、ズボンの中に突っ込んでみたり。教室の中に、クスクス笑い声。ママも爆笑してしまいそう・・・。


◆急いで着替え

 夕方早めにたいしとおふろに入ったあと、ママが庭に出ていたら、なんと、たいしがパジャマのままで外に出てきました。ママが「あれー!? パジャマで外に出るなんておかしいよぉ」と笑うと、あわてて家の中に戻り、自分で着替えて出てきました。どっからひっぱりだしたのか、冬のズボンをはいておりました。


◆おにごっこのおに習得

 クラスのあきこちゃんが、たいしが毎日書いている、ディズニービデオのタイトルに興味を持ったのか、「私のノートにも書いてちょうだい」と申し出がありましたが、たいしはその日学校では、ついにあきこちゃんのノートには書こうとしませんでした。そこで、あきこちゃんは、ノートを1枚破いて「これに書いてちょうだい」と、たいしによこしました。“えいごをかいてください”とメッセージつき。 ・・・そんなにほしくなるものかねー。まあ、最近ずいぶん上手にはなってきてるけど。
 そんなにほしいなら、とママがたいしが今までに書いた作品の中からあげようとしたんだけど、たいしは自分のノートをはなしませんでした。

 学校の帰り。「雨がふりそうだから、急いで帰ろうね」と、ママが言うとたいしはもういちもくさん。「雨がふる」とか「雨がふってきた」と言うと、たいしは不安定になります。 ・・・レインマンだから?
 他の子どもたちをどんどん追い越して、たくやくんの集団に追いつきそうになったたいし、「マテー」とタッチに行く、おにごっこのおにのかまえ。おー、ついにおにごっこのおにを習得できたか。よくやった。単位認定。


◆パパのおしごと

 私が仕事から帰る前に、8時にママがたいしを寝かせようとしたところ、たいしが「オトウサン」と言ったそうです。ママが「おとうさんはお仕事だよ」と応じたら、「ケンリツトショカン」と言ったとのこと。
 何回もおはなし会に連れて行ったかいがありましたねぇ。これをわかってもらうのに4年かかった(4年間県立図書館で仕事しました)ことになりますが、やっと覚えたときには、既に別の職場にいるのでした (^^ゞ




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